今回の記事はスクーターのプーリーとは何か?

から交換時期や自分で交換することができるのかについてお話していきます。

実際に交換したらどういった効果が出るのか?

また逆に交換しなかった場合や劣化した際に起こる症状とは?についても解説していきます。

駆動系のメンテナンスとカスタムには欠かせない「プーリー」のことを、しっかり学べる良い機会になりますので是非最後までお付き合いください!

記事の更新情報

※2023年8月6日に最新情報を更新しました。

スクーターのプーリーの交換時期

画像引用:ナップス-オン マガジン

スクーターのプーリーの交換時期はおおよそ10,000km〜20,000km程度です。

プーリー交換はドライブベルトの交換時に合わせるか、内蔵の「ウエイトローラー」などの消耗に合わせて行うのが通常です。

他にも、ウェイトローラーを押さえる「スライドピース」の劣化など、プーリー本体の摩耗よりも先にこういったゴムや樹脂製品の寿命がくると思います。

一般的に部品代がプーリーキット(プーリーフェイス、ランプレート、プーリーボス、ウェイトローラー)で2,000円前後からになります。

※ショップに依頼した場合、工賃目安はおおよそ1時間目安(6,500円〜8,000円)程度の作業です。

プーリーって何?

プーリーとは直訳すると「滑車」、ベルトからの動力を伝える部品です。

バイクに限らず様々な場所で活躍する「プーリー(滑車)」は、エンジンでもカムシャフトを回すのに用いられたり、幾つかの形で存在しています。

今回はスクーターのエンジンの中で活躍するプーリーについてのお話になります。

スクーターは「Vマチック機構」と呼ばれる無段変速をしますが、この変速に役立っているのがプーリーです。

エンジン回転数に応じて

  • エンジン側のプーリー内部のウエイトローラー(重り)が遠心力で外側に移動することで径が拡がる
  • タイヤ側はエンジン側プーリーがドライブベルトを引っ張る分スプリングを押し縮めて内径が小さくなる

この流れでギアの変速を行ってくれます。

また、実際にどのようにプーリーが動いているかはホンダの公式ページで詳しく解説しています!

Honda | バイク | ベンリィちゃんと学ぶバイクメンテ | クラッチ(詳細)

交換しないとどうなる?

プーリーの劣化を放置したままにしておくと以下のような症状が出てきます。

  • 出足で滑る
  • 加速が遅れる
  • 変速ショックを感じる

基本的には駆動系一式の劣化による症状はこのようなものが目立ってきます。

これはプーリー本体の摩耗によるものだけでなく、ドライブベルト自体の消耗でギアが掴めない場合や内部の消耗品も影響してきますので、プーリー交換時は駆動系のリフレッシュを前提に考えておくほうが良いでしょう。

駆動系のパーツ劣化はエンジンの動力を正しくタイヤに伝えられなくなりますので、エンジンが快調であっても不調に思えるような状況になります。

交換に必要な物

  • 交換用プーリー
  • シザースホルダー
  • プーリーレンチ
  • ドライバー類
  • 六角レンチ類
  • ソケットレンチ類
  • トルクレンチ
  • ウエス
  • 潤滑油(グリス)
  • パーツクリーナー

プーリーを掴むのに特殊工具が無いと一緒に回ってしまい外れませんので、メンテナンスでもまた必要になる工具はこの機会に揃えておいて損はないでしょう。

クラッチユニットはタイヤ側のプーリーに付いていますので、外した際に中の清掃とクラッチシューの摩耗などをチェックして必要であれば一緒に交換してください。

組み付け後はいきなりエンジンをかけずに先に手で回しながらベルトの張りを意識して、クラッチスプリングを戻してから始動テストは行ってください。

プーリーの交換方法

プーリーの交換方法は以下のようになります。

まずはエンジンの駆動系のカバーを外してください。

  1. エンジン側のプーリーを外す(プーリーレンチ使用)
  2. タイヤ側のプーリーを外す(シザースホルダー使用)
  3. 新しいプーリーと交換
  4. ドライブベルトを付ける

あとは逆の手順で組み付けていきます。

プーリーを外すときはホルダーのハンドル部分を地面に当てておくと、作業がし易くなります。

外したカバー類の内側には、ベルトカスなどが付着していると思いますので、一緒に清掃しておきましょう。

組み付けの際にはベルトなどに油分がつなかないように気をつけ、タイヤ側のクラッチスプリングを手で押し縮めてベルトが奥に位置するようにしてください。

締め付けの際はトルクレンチを用いて、規定トルクでの締め付けを行うようにしてください。

プーリーの交換時期に一緒にメンテナンスした方がいい所

プーリー交換に合わせて以下のものは一緒に交換やメンテナンスを行いましょう。

  • ドライブベルト
  • ウェイトローラー
  • スライドピース
  • クラッチアウター

ドライブベルトは前後のプーリーにかけてあるベルトです。

山が減ってくると当然走行に支障が出てきますので、一緒に交換することをお勧めします。

ウエイトローラーはプーリー内部の「重り」になりスライドピースはこの重りを押さえる樹脂製の部品になります。

これらも消耗品ですので、一緒に交換しておくと良いでしょう。

クラッチアウターはタイヤ側プーリーに付いている「自動遠心クラッチ」で、ドライブシャフトからの動力をタイヤに繋ぐ役割をしている部分です。

それぞれの部品代目安としては以下のようになります。

  • ウェイトローラー1,000円前後
  • スライドピース500円程度
  • ベルト1500円〜3,000円程度
  • クラッチ3,000円前後
  • クラッチスプリング1,000円前後
  • アウター3,000円前後

スクーターのプーリーの交換時期はおおよそ10,000km〜20,000km程度でした。

駆動系のメンテナンスは本来のパワーをしっかりと路面に伝えるのに重要なポイントです。

長く乗ってるからパワーダウンは仕方ない・・と思っている人も一度駆動系をリフレッシュすると、体感で変わることが多いです。

また、社外品のウエイトローラーやハイスピードプーリーなどスクーターでは駆動系カスタムパーツとしてもよく耳にすると思います。

ウエイトローラーの重さやスプリングの強さを変えることで、加速重視か最高速重視かとイメージを変えられたり突き詰めるとキャブレター同様にセッティングの幅があるパーツになります。

ウェイトローラーで言えば純正より軽いものを使うと変速が遅くなり、重くすると早くなる、スプリングを固くすれば変速が遅くなり、柔らかいものは変速が早くなる・・などの特性を考慮して前後の組み合わせをしていきます。

チャンバーなどを装着した際には、その特性を活かすのにこういった作業も実際には必要になってきます。

ドライブベルトやウェイトローラーなどは単価的にも安いものですので、工具さえ揃えておけば自分なりのセッティングが見つかるまで何度でも安価にチャレンジできますよ!

ライダーちゃん
カスタムするの楽しすぎて一生やれちゃう><

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