バイクの話題で必ず出るといっていい「排気量」

自分で買ったバイクの排気量は把握していても 「知らないバイク排気量は分からない!排気量なんか気にしていなかった」 という人もいるかもしれません。

もちろん排気量だけを気にして、バイクを購入することはありませんが、排気量はバイクにとって重要な数値なのです。パワーなどの性能以外にも影響する要素をご紹介します。

バイクの排気量の見分け方

画像引用:JAMA

自分のバイクの排気量を最も簡単に知りたいなら、車検証を見てみましょう。

車検証には必ず「総排気量」という項目があるのでそこにしっかり記載されているはずです。

もしくはエンジンそのものを見てみるとどこかに排気量の刻印がされています。

これから購入を考えているバイクなどでは車検証を簡単には確認出来ませんね。そんな時にはメーカーのホームページやカタログに必ず記載があります。

またバイクの車名そのものに排気量を謳っている車種も多く存在します。

「CBR1000RR」 や 「YZF-R1」 といった車名の数字の部分は排気量を示していることが多いです。表し方は各社様々ですが、1000㏄のバイクであれば「1000」「1」「10」といった数字で表されたりします。

その他ナンバープレートでも大まかな排気量を確認することが出来ます。

白いナンバーのほかに黄色やピンクのナンバーを見たことはありませんか?あの色は排気量によって決められています。簡単にまとめてみます。

  •  黄色 51~90㏄
  • ピンク 91~125㏄
  • 白 126~250㏄
  • 白に緑の枠線 251㏄以上

となっているのです。

総排気量には種類がある

なぜこんなにも、排気量を確認する要素があるのでしょうか。それはバイクの排気量によって法律上細かい区分分けがされているからです。

大きく分けて「原動機付自転車」「普通自動二輪」「大型自動二輪」と区分が決まっています。

「原付免許」「中型免許」「大型免許(限定解除)」という言葉を聞いたことはありませんか。

排気量によってバイクは乗るために必要な免許が変わり

原付免許:50㏄まで 中型免許:400㏄まで 大型免許:排気量制限なし

と免許制度が分かれているのです。

さらに細かく見ていくと排気量によって管轄する役所も変わってきますが、この区分は免許の排気量とは異なります。

  • 125㏄まで 各市区町村
  • 125㏄を超えるもの 運輸局

となるので、各種の登録や届け出をする際は注意が必要となります。

このように排気量によって法律上の細かな決め事があるので、バイクに関する排気量の確認方法が多く存在し、すぐに確かめられるようになっているのです。

税金の値段は排気量によって異なる

排気量によって毎年収める税金も変わります。

軽自動車税では

  • 50~90㏄以下 2,000円
  • 125~250㏄以下 3,600円
  • 250㏄を超えるもの 6,000円

重量税では

  • 50~125㏄ 0円
  • 126~250㏄ 4,900円(新車登録時のみ)
  • 251㏄~ 年間1,900~2,500円

となっています。

251㏄以上の重量税に幅があるのは、新規登録時からの年数によって加算があるからです。

登録から12年までは1,900円ですが、その後17年まで2,200円。18年を超えると2,500円と上昇していきます。

251cc以上は車検が必須

バイク購入時に排気量での一番の悩み事は車検の有無ではないでしょうか。

排気量が251㏄以上のバイクには車検が義務付けられています。

車検はお店に頼んだり、ユーザー車検として自分で行ったりできますが、どちらにしても数万円の費用と平日の時間が必要になります。

車検を行うことで致命的な整備不良をある程度防ぐことが出来るので、より速度域の高い大排気量車に車検の義務付けがされています。が・・・だからと言って小排気量車がメンテナンスをしなくて良いということではありません。

日頃のメンテナンスはどんな排気量のバイクでも必要です。

お金と整備にかける時間のバランスを見ながら排気量の選択をすることが大事です。

最も大きい排気量はどれくらい

排気量に関する余談。

皆さんは最も大きなバイクの排気量はどれくらいだと思いますか。

1000㏄のバイクでも十分大きいですが、通常街中で見る可能性が高い排気量のバイクはホンダの 「Gold Wing」 でしょうか。
1833㏄の6気筒エンジンを搭載しており、車のような優雅な走りが可能です。車体が大きいのでバックギアがついていたりと、まさに車のようです。

海外に目を向けるとトライアンフの 「ロケット3R」 というバイクが2458㏄という、下手な車以上の大きさのエンジンを積んでいます。

現代の最新バイクなので各種装備も充実していて、クルージングからスポーツまでマルチにこなせるハイスペックバイクです。

過去まで見ていくと、8200㏄というネタとしか思えない排気量を持ったバイクが存在しました。アメリカの 「ボスホス」 というバイクです。

このサイズになるともはやバイク用のエンジンではなく、アメ車のシボレー用V8エンジンをそのまま搭載しています。

まさにアメリカンバイクの境地といったところでしょうか。

残念ながら排ガス規制の波に耐え切れず8200㏄のバケモノバイクは現在は廃盤となってしまいました。

ちょうどいい排気量とは何ccか

ちょうどいい排気量という指標は実はありません。人によって様々です。

免許で言えば大型二輪免許は18歳以上しか取得できないので、18歳以下であれば400㏄までがちょうどいい。ということになってしまうのですが、それを除けば、その人の好みのバイクがちょうどいい排気量なのです。

例えば、通勤に使うから小回りが利いて燃費の良いバイクがいい人は125㏄までの原付2種が第一候補かもしれません。

ロングツーリングをよくする人は1200㏄位の大型バイクが楽かもしれません。大きいから扱いづらい、小さいからつまらない、というのはあくまで傾向としてあるだけで、絶対的な指標にはならないのです。

車検があるけど、かっこいい大きなバイクに乗りたい!ずっと大型に乗っていたが最近の250㏄が楽しい!と思えたのならばそのバイクが今のあなたにちょうどいい排気量といえるでしょう。

差別があるって本当なの

排気量による差別は現在では少なくなっているといえます。

確かに一昔前は、大型自動二輪免許の取得を「限定解除」と言い、試験場で行われる厳しい実技一発試験をクリアした人しか得ることのできない特別なものでした。

そのため、400㏄以上に乗っている人はその試験をクリアした勇者・・・のような扱いがありました。

しかし現在では教習所を卒業することで実技試験が免除され、比較的万人に取得しやすい免許になりました。なので大型に乗ることが偉いという考えがあまり無くなりました。

同じシリーズの車両で排気量違いというバイクも多いです。

例えばCBRというバイクだけでも125㏄~1100㏄までと多くのクラスがありますが、それぞれに個性を持った全く違うものです。

1000㏄の圧倒的なパワーも良いですし、600㏄や400㏄の車体バランスも良いです。車検が無く扱いやすい250㏄や、どこにでも気軽に行ける125㏄など。

大排気量バイクを持つことに誇りを感じる人も多くいますが、差別とは違った感情です。たとえ差別があったとしても、それが気にならない程の良さを自分のバイクに見つけてみてください。


バイクの排気量は車検証やバイクの車名などで確認することが出来ます。

排気量によって免許区分や税金、車検の有無などに差が出てきます。もし車両を購入予定なら、まず最初に確認してみましょう。いろんな要素を見極めた上で、自分が好きな、自分に合った排気量のバイクを選んでみてください。

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