バイクに乗ろうとして、エンジンをかけたら白煙が!走行中に後ろを見たら真っ白!

あまり遭遇したくない事態ですよね。急にそんな事態になるとつい焦ってしまい、何をしたらいいのか分からなくなってしまいます。

そんな時でも落ち着いて対処できるように、白煙が発生してしまう原因とその時の対処法を考えます。

「読んでも難しくてわからない!」  と思ったらプロに頼むことも必要です。そんな場合の注意点や費用なども合わせてご紹介します。

原付から白煙がでるのはキャブが原因?

画像引用:バイクの窓口

キャブレターに起因する不調は多くありますが、白煙に関してはキャブレターが原因と言い切れないことが多いです。

古いバイクなどキャブレター内のガソリンが固まってしまったり、水が溜まったりして燃料が供給できず、アイドリング不調やエンストを起こすことがよくあります。

キャブレターの不調はエンジンがかからない、もしくは回転が安定しないといった場合にまず考える項目です。

しかし白煙などのエンジンがかかっている場合の不調原因は燃料ではなくオイルの侵入であることが多いです。

4サイクルの場合、燃料とオイルは分離しているので白煙が出ることは正常ではありません。

このような場合、原因はキャブレターではなくエンジン内部である可能性があります。

近年のバイクは原付であってもキャブレターからインジェクションに置き換えられ、燃料供給を原因とする不調が少なくなりました。

新しいバイクなのに白煙が出る場合は早急に原因を確認することが大切です。

ちなみに2サイクルのバイクは燃料にオイルを混合し燃焼させるため、正常でも白煙が出ます。

あまりに大量の煙はオイルポンプなどを確認したほうがいい場合もありますが、うっすらと漂っている程度ならば問題ありません。

オイル上がりや下がりの可能性もある

白煙に関する不調の主なものに「オイル上がり」「オイル下がり」があります。

普段は密閉されているはずのオイルが燃焼室に侵入してしまうことを言いますが、どこから侵入しているかで呼び方が変わります。

クランクケース内に溜まっているオイルはピストンの冷却や潤滑に使用され、普段はピストンリングによって適切に密閉されています。

しかしピストンリングの摩耗やシリンダーの傷によってオイルが密閉できなくなり、燃焼室内に上がってしまう・・・これが「オイル上がり」です。

またシリンダーヘッドに溜まっているオイルはカムやバルブを潤滑していますが、バルブシールの摩耗などによって密閉できなくなり、燃焼室内に落ちる・・・これを 「オイル下がり」 といい、どちらもオイルが燃焼室で燃えてしまい白煙を出してしまうわけです。

古いバイクなどは各部品のクリアランスが大きくとられているものがあります。

そんなバイクに近年増えてきている化学合成の低粘度のオイルを入れると、シールが正常でもオイルが滲んでしまうという場合があります。

最新で高いオイルだから高性能というものではなく、そのバイクに合ったオイルを入れることが大切です。

冬場なら水蒸気と間違えてないか確認

白煙でも無害なものもあります。それは「水蒸気」です。

燃料が空気と混合し燃焼すると排気ガスの中には多くの水が含まれます。寒い冬場などに暖かい排気ガスが外に出されると排気内の水分が一気に水滴となり煙のように見えるのです。

冬に息が白くなるのと同じ原理ですね。

このような水蒸気は白煙でも全く問題ないものです。

オイルの白煙との簡単な見分け方は、消える時間です。

水蒸気は短時間で見えなくなってしまいますが、オイルが燃えた煙はかなりの時間残り続けますし、匂いも、まさにオイルが燃えた!という匂いがします。

エンジン始動直後に煙が出ていても少し落ち着いて、消え方や匂いを確認して水蒸気か確かめてみましょう。

対応は早めにお店に持って行くこと

白煙の原因がオイルであれば、早めにバイク屋さんに見せることが重要です。

原因が「オイル上がり」「オイル下がり」の可能性があると紹介しましたが、その内のどちらなのか?というのはエンジンを開けなければ判断することはとても難しいです。

どちらにしてもエンジン内の部品交換が必要なので、素人作業では難しい領域になります。

すでに白煙が出ているのであれば、エンジン内の状態は悪くなる一方なので、いかに車両を動かさずに早く修理ができるかというのが重要になります。

お店に持っていく場合に確認する項目として

  • いつから
  • どんな状況で
  • 症状が出るまでに自分で行った作業

といったことを伝えると原因にたどり着きやすくなります。

修理にかかる費用の目安は

エンジン関係の修理費用は全体的に高額になりやすいです。また年式や車両状態によって作業数が変わるので大幅に金額が変動してしまいます。

目安としては

  • ピストンリング交換20,000円~60,000円+部品代
  • バルブシール交換10,000円~30,000円+部品代

程度でしょうか。

先にみたように、オイル上がりオイル下がりの判断が難しいため、万全を期してエンジン腰上(シリンダーから上の部分)オーバーホールを行うと

  • 単気筒 50,000円~100,000円+部品代
  • 4気筒 100,000円~250,000円+部品代

といったあたりになります。

多気筒車の場合、不具合が1気筒だけでも他のシリンダーも似た環境にあるため、同時に部品交換を行うことが望ましいです。

場合によっては中古のエンジンに乗せ換える。という手段も選択肢に入るかもしれません。

古いバイクなどは部品が手に入らない車種も多く、ほかのエンジンから移植しなければならない場合があるからです。目安として

  • エンジン載せ替え 100,000円~150,000円+エンジン本体代

程度になることが多いです。

予算や「どうしてもこのバイクに乗りたい」ということを店員さんに相談してみるといいでしょう。

定期的にメンテナンスをしよう

修理費用の上昇を抑える一番のポイントは日々のメンテナンスです。

その理由は、バイク屋さんの工賃は作業時間に比例して加算されるため、いかに早く作業が終了するかで金額が決まるからです。

オイル交換やオイルフィルター交換をしっかり行えばエンジン内部の環境が悪化しにくく、交換部品が減りますし、各部品の注油を行っていればネジの固着による作業時間増加を防げます。

また定期的にバイク屋さんにメンテナンスをお願いしておけば、バイク屋さんはその車両の大まかな状態が把握できるので、何をすればいいのかが早く決まります。

このように、日々のメンテナンスから愛車の状態を素早く正確に把握することでトラブルを回避できます。また、修理になったとしても費用を抑えることができるのです。


原付からの白煙はキャブよりもエンジン内部の不調を疑う症状です。発見したらすぐに対処することが大切です。不安ならバイク屋さんにお願いする判断も必要です。

普段から愛車の変化を気にしておくことで、重大な故障や、事故を未然に防ぎ、快適なバイクライフを過ごしましょう。

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