ライダーちゃん
「バイクはやっぱり空冷じゃないと!」
「いや、主流は水冷だし、水冷のほうがいいんじゃないの?」

・・こんな会話を耳にすることがありました。

最近のバイクは確かに水冷エンジン搭載タイプが多いのですが、水冷と空冷ではどちらがいいのでしょうか。

そのためには水冷エンジンと空冷エンジンの違いを知る必要がありますね。

今回は水冷と空冷の特徴や、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

バイクの水冷と空冷はどちらがいい?

ライダーちゃん
水冷と空冷にはそれぞれ特徴があり、メリット・デメリットがあるため、どちらがいいとはいいきれません。

バイクや自動車のエンジンは走行中に熱をもつため、正常に作動させるためには何らかの方法で冷やす必要があります。

エンジンの冷やし方によって水冷・空冷にわかれるのですが、まずそれぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

水冷エンジンとは?

水冷エンジンとは簡単に言うと、エンジン内部を冷却水で冷やす仕組みのあるエンジンのことです。

シリンダー周りなどにウォータージャケットという水路を設けて冷却水を循環させ、エンジンの熱をラジエターに運んで発散させるという仕組みになっています。

水冷エンジンのメリット

水冷エンジンのメリットは、高い冷却効果を発揮することです。

空気(風)よりも温まりにくい水を循環させて冷却するため、エンジン温度を適正に維持することができます。

強制的に冷却できてオーバーヒートの心配がないので、高回転・高出力が可能。

そのため発熱量の大きい高性能エンジンは水冷が多いのです。

またエンジンが水で包まれた状態となり、エンジン音が低減されるのもメリットといえます。

水冷エンジンのデメリット

エンジンを冷やすためのウォータージャケットやラジエーターなど、空冷には不要なパーツが増えるので、その分構造が複雑になりコストや重量も増します。

また冷却水を定期的に交換したり、空冷にはない様々な装置の点検をしたりと手間がかかるのもデメリット。

冷却水が漏れるなどのトラブルが発生することもあり、メンテナンスが大変といえるでしょう。

空冷エンジンとは?

空冷エンジンとは、エンジンを外気や走行風で冷やすタイプのエンジンです。

シリンダーヘッドやシリンダー表面に「冷却フィン」を装着し、空気に触れる面積を増やして熱を発散させやすくしています。

走行風などで自然に冷却するのは「自然空冷式」で、スクーターなどエンジンに風が当たりにくい場合にファンで冷却するのは「強制空冷式」です。

空冷エンジンのメリット

水冷エンジンに比べて構造がシンプルで、比較的メンテナンスしやすいのが大きなメリットです。

冷却水がないのですから、水漏れによるトラブルの心配はありません。

ラジエーターなどの冷却装置がない分軽量であり、スッキリとした外観の車種が多いといえるでしょう。

またエンジンに設けられた冷却フィンによる造形美や、空冷エンジン独特のサウンドは大きな魅力であり、空冷エンジンに惚れ込むライダーさんも少なくありません。

空冷エンジンのデメリット

空冷エンジンのデメリットは、水冷に比べ冷却性能が低いこと。

渋滞などでエンジンが熱くなりすぎるとオーバーヒートしてしまう可能性もあります。

エンジン回りが熱くなること、冷却フィンに汚れがたまりやすいこともデメリットです。

またエンジン内部の潤滑、洗浄、密封、防錆作用などに必須のエンジンオイルには、エンジン内部の熱を逃がす作用もあるため、水冷よりも劣化・減少が早くなります。

エンジンオイルの交換サイクルが短いのもデメリットといえるでしょう。

バイクは水冷エンジンと空冷エンジンで感触が違う

水冷エンジンと空冷エンジンのバイクでは、スロットルを開いた瞬間の感触が大きく異なります。

乗り比べたことがある方ならご存じかもしれませんね。

水冷エンジンはレスポンスがよくシャープな走り、空冷エンジンはゆったりした走りを楽しめます。

水冷エンジンと空冷エンジンを乗り比べると?

水冷エンジンは少しスロットルを開いただけでもすぐに反応するので、コーナリングのときなどにトラクションを調節しやすいのが特徴です。

しかしちょっと開けただけでぐんと加速するため、比較的神経を使います。

のんびりクルージング中でもスロットルに集中しなければならないので、長距離ではちょっと疲れやすいかもしれませんね。

一方空冷エンジンはスロットルを開いてわずかに遅れて反応し、じんわり加速します。

開け過ぎたら戻して調整できるので、水冷エンジンほど神経を使うことはありません。

ゆったりのんびりクルージングを楽しむには、レスポンスのゆるい空冷エンジンのほうが向いているといえるのではないでしょうか。

水冷エンジンと空冷エンジンのレスポンスはなぜ違う?

なぜ水冷と空冷とでは、スロットルの開度に対するレスポンスが異なるのでしょうか。

空冷エンジンは水冷エンジンよりも冷却性能が低く、エンジンが熱くなりがちです。

ピストンやシリンダーが熱膨張すると、すきまが狭くなってしまいますよね。

そこで空冷エンジンでは、ピストンとシリンダーのクリアランス(すきま)を広めに設計してあります。

しかし圧縮されたガスがすきまからクランクケースへと流れ出て減ってしまうので、レスポンスが悪くなるのです。

水冷・空冷のバイクはそれぞれこんなライダーにおすすめ

バイクを選ぶときに水冷か空冷かで選ぶ方は少ないかもしれませんが、それぞれどんなライダーさんに向いているかをまとめました。

バイク選びの参考にしてみてください。

こんな方は水冷エンジンのバイクがおすすめ

水冷エンジンのバイクがおすすめなのは、

  • スロットルの感触がシャープなほうがいい
  • 高性能・ハイパワーエンジンのバイクに乗りたい
  • 街乗りが多く渋滞にはまりやすい

このようなライダーさんといえます。

こんな方は空冷エンジンのバイクがおすすめ

空冷エンジンのバイクが向いているのは、

  • バイク車重は軽いほうがいい
  • メンテナンスしやすいバイクでのんびり走りたい
  • 冷却フィンの造形美に大きな魅力を感じる

このようなライダーさんといえるでしょう。


今回はバイクの水冷エンジンと空冷エンジンについてご紹介しました。

ライダーちゃん
水冷エンジンと空冷エンジンには、それぞれメリット・デメリットがあり、冷却性能だけでなく見た目や乗り心地、パワーやエンジンサウンドなども異なります!水冷・空冷どちらがいいかは、ライダーさんの好みによるといえるでしょう。ぜひあなた好みのバイクを選んでみてくださいね!

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