エンジンを始動した瞬間、「パァン」と大音量と共にマフラーから火が吹いた。その後「普段通り運転できたから大丈夫だろう」 と楽観的に考えないでください。

アフターファイヤーを放置しておくと最悪命に関わる事故に繋がる可能性もあります。バイク屋さんに修理に出すというのは一番確実な選択肢です。

ただ、この記事を見ているということは自分の力で解決したいという勇敢な人ですよね。

なぜ起こったのか、何が原因なのか知ることは未来に起こるトラブル解決の糸口になります。なにより、バイクの知識を知るのは楽しいですよ。

ここではアフターファイヤーが起こる原因、取り外した部品の状態から原因を突き詰めて呼称箇所を割り出し修理する方法をご紹介します。

バイクがアフターファイヤーしてエンジンかからない原因

画像引用:マッスル日和

一言で表すと、混合気の濃度異常です。

混合気とは大気とガソリンが混ざった空気のことで、これが燃焼室で爆発し、動力を生み出します。

大気とガソリンの比率は15:1が基本でスロットル開度によって変化します。

アフターファイヤーが起こる原因として大気とガソリンの割合が極端に傾いてしまっていることが考えられます。

ガソリンの濃度が濃くても薄くてもダメということになります。

アフターファイヤーがおきる場面はアクセルを開けたときか、アクセルを閉じたときになります。

そして、このアフターファイヤーが原因でエンジンがかからないことがあるのかというと、答えはYESです。

混合気の濃度異常が原因のこともありますし、エンジンへのダメージが蓄積されて、いずれエンジンがかけられなくなってしまうこともあります。

特に走行中のアクセルを閉じてエンジンブレーキをかけているときに「パンパンパパパパーン」なんてアフターファイヤーがひどい状態であれば、ガソリンの濃度が薄い可能性がありエンジンも高温になりやすく、ダメージが大きいです。

ちょっとくらいのアフターファイヤーであれば、さほど問題はないですけど、あまりにもひどければ、いずれエンジントラブルに発展します。

アフターファイヤーはエンジンからのSOSかもしれないので、この記事を参考に改善してみてください。

アフターファイアーって何?

どんな現象

繰り返しになりますがマフラーから火が吹く現象です。エンジン始動時、アクセルを回したときによく起こります。

レースではパワーを出すため、パフォーマンスとしてわざと発生させますが、公道で行うのは危険なのでやめましょう。

原因

混合気の濃度異常が原因です。これによって、濃い混合気がエンジン内で全て燃焼されず未燃焼ガスとなって排気側へ送られます。

そして、マフラーが熱源となって引火し、火が吹き出す現象がおきます。

ではバイクのどこの部品が原因となっているのか。それは混合気の調整をするキャブレターです。

以下の記述で順を追って故障探求をしていきます。

混同されがちな『バックファイアー』との違い

補足となりますが、混同されやすい『バックファイヤー』について説明します。

バックファイヤーとは吸気側で起こる爆発のことです。

こちらはタイミングバルブの不具合が原因で、アフターファイヤーとは違う現象です。なので「マフラーからバックファイヤーしている」というのは誤った表現なので注意しましょう。

また、爆風が逆流している状態なので燃料系に引火する恐れがあるので早急に修理しましょう。

スパークプラグ

もしプラグの先が黒かったら

黒くなっている場合は燃料が燃え切らずガソリンが付着。プラグの先が黒く湿っていわゆる「かぶり」の状態です。

ガソリンの濃度が高いことが推測されます。

この状態では火花が飛ばなくなり未燃焼状態で混合気がマフラーへ流れアフターファイヤーが起こります。

もしプラグの先が白かったら

白くなっている場合はガソリン濃度が薄い状態です。

上記とは反対で空気が多すぎると火花が全てのガソリンに燃え移らない不完全燃焼をおこします。

結果、一部燃えなかったガソリンがエキゾースト側へ流れ出しマフラーの熱で引火。アフターファイヤーが発生します。

キャブレター

もしキャブレターにヘドロ状の物が詰まっていたら

ヘドロの正体はガソリンです。長期間放置するとヘドロ状になりキャブレターを詰まらせます。

ヘドロがガソリンの通路を塞ぎ薄い状態なのか、ニードルの先端に付着し通路に隙間をつくっているのかオーバーホールをしなければ判断できませんがキャブレターが原因であることは間違いないです。

もし社外のマフラーに変えてからアフターファイアーをしていたら

マフラーを変えたことにより燃調がずれてアフターファイヤーを起こすことがあります。

マフラーを純正に戻したら症状がなくなったのであればマフラーに原因があると考えられるので、キャブレターの調整か純正に戻すかのどちらかになります。

自分でメンテナンス

スパークプラグ交換

先が白い場合は交換をしましょう。単純にプラグの寿命が尽きて火花が上手く飛んでいない可能性があります。

先が黒い場合金属ブラシで汚れを落としましょう。

その後取り付けてエンジン始動し、取り外して黒くなっていた場合キャブレターに原因があると考えられます。

キャブレターの清掃

ヘドロがあった場合キャブクリーナーでヘドロを洗い流しましょう。それでも正常に戻らないときは調整が必要になります。

キャブレターの調整

混合気の空気量を決めるパイロットエアスクリューを調整します。これは締めると濃くなり、緩めると薄くなります。

少し回してエンジン始動を繰り返してちょうどいいところを根気よく探しましょう。

修理しないでいるとどうなる?

マフラー内部で焼損によって穴があき、最悪車両火災につながる可能性があります。

知っていて何もしないのは最悪のケースを招くので放置するのはやめましょう。


アフターファイヤーの原因は混合気の濃度不良でキャブレターとプラグが関係しています。

最初にプラグを外して混合気が濃すぎるのか薄すぎるのか確認した上でキャブレターの清掃、調整をしましょう。

以上となりますが解決しましたか。

ここではキャブレターについての記述ですが、現在主流はインジェクションです。

インジェクションの場合電子制御となるのでコンピュータが原因となり、一般の人が手を出せるものではありません。バイク屋さんに相談した方がいいです。

逆をいうとキャブレターのバイクは生産されていないので希少になりました。自分でいじることができる貴重なバイクです。

なので、不具合を見て見ぬふりをしないでしっかりと修理をして大切にしてあげましょう。

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