今度のバイクはシート高があって足つき性がいまいち・・立ちゴケしそうで心配!そんな時にシートの中身を削って好みの形状にするのが「アンコ抜き」。
アンコ抜きをすると、ライダーの足つき性だけでなく、ライディングポジションや乗り心地も快適になりますよ。
アンコ抜きをやってみたいけど、どんな道具があればいいのかわからない・・
そんなライダーさんのために、今回はシートのアンコ抜きに必要な道具やコツ、自分で行うメリット・デメリットなども合わせてご紹介していきます。
シートをアンコ抜きする時に必要な道具
ノーマルな状態のシートは平均値で作られているため、持ち主であるライダーさんの体格やライディングスタイルに合わないこともあります。
シートの中身であるスポンジを削って、お好みの形状に整えることが「アンコ抜き」です。(逆にスポンジを足すことを「アンコ盛り」といいます)
比較的取り組みやすいカスタムですが、どんな道具が必要なのか見ていきましょう。
シートのアンコ抜きの道具
細いドライバー(マイナス)やニッパー、ペンチ
シートの表皮(生地)を留めているステープル(大きなホチキスのようなもの)を取り外すのに使います。
かなり強めに留めてあることが多いため、細くて頑丈なドライバーなどがおすすめです。
ノコギリの刃
スポンジを削るのに使います。
大きく削る場合は、シート幅よりも長いものがおすすめ。
おろし金、やすり
大まかに削ったスポンジを整えるのに使います。
おろし金は100均のもので十分削れますよ。
スポンジ表面の仕上げには、木工やすりまたは紙やすりが便利です。
ハンドタッカー(大きめのホチキス)
シートに表皮を留める際に使います。
100均でも購入できますが、やや力不足に感じることも。
工具売り場やネット通販などで入手できる、業務用のハンドタッカーを選ぶと便利です。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&tag=wander-life-22
メジャー、物差し、マジックペン
削る目安を測り、ラインを書き込むのに使います。
しっかり採寸して目安のラインを書き込めば、キレイな仕上がりになりますよ。
ビニールやサランラップ等
浸水防止のためにスポンジを包むのに使います。
小見出し シートのアンコ抜きにあると便利な道具
サンダー(ディスクグラインダー)
スポンジを削るサンダーはあれば便利ですが、使い慣れていない場合は削りすぎやケガの原因になることもあるのでご注意ください。
水平器
見た目や手で触った感覚でも座面を平らにできますが、完全に平らにしたい場合はあると便利です。
ただしシートの形状にもよります。
ブルーシート
スポンジを削るとかなり細かい削りカスが飛ぶので、作業場に敷いておくと片付けが楽です。
粉塵防止ゴーグル&マスク
同様に、細かい削りカスが目や鼻、口に入らないようにするために使います。
道具はそろった!シートのアンコ抜きのやり方は?
道具がそろったら、いよいよ作業開始です。
ここでは最も簡単なアンコ抜きの手順とコツをご紹介します。
シートのアンコ抜きの手順
シートを外してシートの生地をはがす
(バイクの車種によってシートの外し方は異なります)
生地はステープルという大きめのホチキスで留めてあるので、ひとつひとつ丁寧に外していきます。
マイナスドライバーなどを差し込んで浮かせ、ペンチなどで引っこ抜くといいですよ。
シート生地を使いまわす場合は、生地を破らないように注意しましょう。
生地を外したときに、スポンジに防水のビニールがかかっていればそれも外しておきます。
シートのスポンジに目安を書き込む
マジックなどでスポンジに理想の形を書き込みます。
面倒な場合は直接削ることもできますが、よりきれいな仕上がりにするには削る目安を書き込むことをおすすめします。
シートのスポンジを削る
ノコギリの刃を使い、削りたい部分のスポンジを切り取っていきます。
力を入れすぎるとスポンジが割れてしまうこともあるので、軽く刃を当てる気持ちで削りましょう。
この後おろし金でも削るため、目安のラインぎりぎりではなく、控えめに切り取ると後悔しません。
削りすぎると元に戻せませんので、ここは慎重に少しずつ行います。
サンダーを使う場合はさらに慎重に行いましょう。
一度シートをバイクに戻して確認
この段階で一度シートをバイクに戻し、跨って確認します。
足つき性はどうか、ポジショニングはどうかなどを確かめておきましょう。
おろし金とやすりで仕上げ
実際に跨って納得のいく形状まで削れたら、表面や内股にあたる角の部分などを滑らかに仕上げていきます。
仕上げの作業を丁寧に行うと、生地をかぶせた状態がよりキレイになりますよ。
防水のためのビニール等をかぶせる
そのままでもよい場合はなくてもかまいませんが、雨水などの浸水を防ぐために大きめの薄いビニールやサランラップなどでスポンジを覆うといいでしょう。
シート生地を留める
削り終えたスポンジにシート生地をかぶせます。
生地の端をハンドタッカーで留めるのですが、シートをシワなくキレイに張るために、まず仮留めをしましょう。
シートの前後を仮り留めし、生地を引っ張りながら中央部分を仮り留めしていきます。
生地を引っ張って仮り留め→本留めを繰り返していきましょう。(スポンジを大幅に削った場合はしわが残ることもあります)
シートのアンコ抜きのコツ
シートのアンコ抜きは、焦らず少しずつ作業することが大切です。
また面倒でも作業の途中でシートをバイクに戻し、何度か座り具合を確認するといいですよ。
自分でシートのアンコ抜きをするメリット・デメリット
シートのアンコ抜きは、道具さえそろえれば自分で行うことができます。
最後に、自分でアンコ抜きをする場合のメリット・デメリットをご紹介しますので、参考にしてみてください。
自分でシートのアンコ抜きをするメリット
- 業者に頼むよりも安価に仕上げられる(シートのサイズなどにもよりますが、業者に依頼すると最低でも1万円前後かかります)
- 何度も確認しながら行うことで、理想の形状に仕上げられる
自分でシートのアンコ抜きをするデメリット
- ノコギリの刃で削る、ハンドタッカーで留めるなどの作業は、それなりに時間がかかる
- 削りすぎるなど失敗すると元に戻せない
- アンコ抜きした分のシートが余るため、シートにしわができやすい
バイクのシートのアンコ抜きは、必要な道具さえそろえれば比較的取り組みやすいカスタムです。
うまくできそうもない!という場合は、潔く専門業者に頼むのも一つの方法ですが、時間に余裕がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
ただし、サンダーなど使い慣れない道具を使う場合はくれぐれもご注意ください。