メガネをしながらのヘルメットって、窮屈だったり不快に感じる人も多いんです。

耳のあたりなどに痛みを感じるとか、酷いと頭痛になってしまって大変な思いをすることも。

ぴったりフィットしているヘルメットの空間内で、メガネを上手い具合にかけることは可能なのでしょうか。

今回は、ヘルメットをしている際にメガネが辛い時の対応について、解説していきます。

ヘルメットでメガネが痛いときはどうする?

画像流用:メガネとSHOEIヘルメット|カワサキ プラザ加古川

メガネをしながらバイクのヘルメットを被っている時に、痛みを感じることがあります。

具体的な症状としてよくあるのが、

  • メガネが耳の上に食い込んでくる
  • こめかみの辺りが押さえつけられるような感じがする

といったものです。

これらは、メガネを装着することによって、狭いヘルメットの中で頭が圧迫されて起きる症状。

メガネの装着を前提としていないデザインのヘルメットでは、こういったことに悩む人が多くいるんです。

短時間の走行ですぐヘルメットを脱ぐ時は我慢できるかも知れませんが、ツーリングなど長時間ヘルメットを被っている時はとても辛いですよね。

痛みが強くなったり、頭痛になったりしたら、運転にも支障が出てしまいます。

しかしだからといって、視力が悪いのにメガネをしないで運転するわけにもいきません。きちんとこの問題に向き合って、快適にメガネをつけられるようにしましょう。

簡単にできる痛みへの対策としては、

  • 耳の上にきちんとかけずに、ヘルメットの内装と顔でメガネを挟むようにする。
  • 薄いテンプルのメガネを使う

といったものがあります。

耳の上でメガネが食い込んで痛い場合は、ヘルメットの内装の圧迫感をうまく利用して、メガネを少し浮かせ気味に装着することで解決することもあります。

ヘルメットの狭い空間でも幅を取らずに入るような、薄いテンプルのメガネに買い替えるのも1つの手です。

しかしフィッティングを通常の位置とずらすのは、ある程度メガネのレンズが大きくないと視界が狭くなってしまいます。

また、メガネをわざわざ買い替えるのはお金がかかるので、できれば今のメガネをそのまま使いたいですよね。

そんなときには、次に紹介する加工を試してみて下さい。

自分でできる!『メガネスリット加工』とは?

ヘルメット内部に加工を施す、メガネスリット加工というものがあります。ヘルメットの内装に、メガネが入る隙間=スリットを自分で作る加工法ですよ。

もともとヘルメットの中にメガネ用の隙間がデザインされていれば良いのですが、無い場合は自分で作ることも可能なんです。

やり方は、頬あたりの内装のパッド(チークパッド)を外して、スポンジを切ってメガネの入る部分を作ります。

実際のメガネスリット加工のやり方はこちらを参考にどうぞ。

バイク店の公式サイトで、わかりやすく説明してくれているページがありました。

https://kawaguchi-r.com/2020/03/29/shoei-helmet-glasses-slit/

なお、ヘルメットメーカーのSHOEI(ショウエイ)からは、チークパッドの取り外し&つけ方の動画が提供されています。

パッドの取付け方がピンとこないという方は、参考にして下さい。

https://youtu.be/H6YMmBgRHaY

ヘルメットは安全のための装備ですので、正確な位置にパッドを戻すようにして安全性を保って下さいね。

メガネをかけてヘルメットをかぶるときの注意点

メガネスリットがあっても、ヘルメットをかぶる時には注意することがあります。それは、「メガネはヘルメットを被ってから装着する」ということ。

なお、ジェットヘルメットやシステムヘルメットなどをお使いで、構造上メガネをつけたままでもヘルメットが被れる人はこの話は当てはまりませんので次の項目へお進みください。

メガネはヘルメットを被る前に一旦外して、ヘルメットを被ってからバイザーを上げてつけるという順番です。

ヘルメットにあるスリットは、前側から後頭部に向かってメガネのテンプルを差し込むための構造になっています。

そのため、メガネをつけたままヘルメットを上から被った場合は、スリットに上手くテンプルが入りません。

また、メガネをつけたままで頭をヘルメットに押し込むと、メガネのパーツが顔に当たってケガをすることもあります。

メガネがゆがんでしまう原因にもなりますので、力技でいくのはやめましょうね。

メガネに対応したヘルメットもいろいろな種類がある

前半では自分で加工をするというやり方もご紹介しましたが、ヘルメットのメーカーによっては、メガネをしているライダー向けのモデルを出しているところもありますよ。

その一部を、ご紹介しますね。

【OGK KABUTO(カブト)】

カブトのヘルメットは、耳のあたりが比較的余裕がある作りになっています。

そのためメガネのテンプルを入れやすく、圧迫感が少ないので快適に使えると人気があるんです。

私もカブトのフルフェイスヘルメットを愛用していますが、メガネをつけていて痛くなったことはありません。

おすすめです。

【ヤマハ ZENITH(ゼニス)シリーズ】

ヤマハのゼニスシリーズのヘルメットには、内装にメガネ用のスリットがあります。

メガネのテンプルを入れる口がきちんとあるので、変な位置にメガネが入ってしまって焦るということもなく、安心です。

※モデルによっては標準装備ではないことがありますので、購入前に要確認

またメガネ用というわけではありませんが、システムヘルメットやジェットヘルメット、ハーフヘルメットはメガネと相性が良いです。

メガネをつけたままでもヘルメットが被れる構造になっていたり、頭を覆う面積が少ないので圧迫感が少ないというのが理由です。

しかしハーフヘルメットは安全性が低いので、なるべくジェットなどのしっかりしたものを選ぶのがおすすめですよ。

痛くないメガネの選び方

メガネのデザインによっても、ヘルメットの中で痛くなりにくいものがあります。買い替えなどでメガネを選ぶ際は、これからお話しすることを参考にして下さい。

まず、テンプルの素材が簡単に曲がりにくいものを選ぶようにしましょう。

例えばステンレスやチタンなどがおすすめです。

よくしなって柔らかいものは掛け心地が良くて人気ですが、ヘルメット中でかけるには不向きなんです。

窮屈なヘルメットに入れる際にもフニャフニャとして入れにくいですし、つけている間もヘルメットと頭に挟まれて徐々に曲がっていきやすいので、素材はしっかりした固さのあるものを選びましょう。

次に、全体の形としては、テンプルやフレームが細めなタイプがおすすめです。テンプルが細めだと、狭いヘルメットの中でも圧迫感を感じにくいです。

また、フレームの太さも重要です。

フレームが太いと視界が狭くなり、特に左右が見にくくなりがちです。安全運転のためにも、フレームは細いタイプをおすすめします。

バイク用のメガネなんてあるの?

最近では、バイク乗りに向けて開発されたメガネというものもあります。

メガネを販売している愛眼(あいがん)という会社では、ヘルメットに対応したメガネを販売していますよ。

そのメガネの特徴は

  • 耳にかかるパーツが痛くなりにくい、ヘルメット装着時もつけやすい
  • フレームが強度があって軽い
  • 鼻当てが形が崩れにくい設計

というものです。

耳にかかる部分のパーツが薄めで、且つあまり曲がらないように作られているそう。

圧迫感を減らして、ヘルメットに入れる際もスッと真っすぐ入ってくれるよう考慮されています。

フレームはチタン製で、耐久性があって軽い作り。

鼻当て部分は、ヘルメットの中で押されたりして形が崩れることもあるんですよね。

そうなりにくいよう、形や太さに工夫されているそうです。

他のメガネブランドからも、スポーツ向けのメガネのラインナップでバイク乗りにもおすすめのものが多数出ていますよ。

あなたがいつも行っているメガネ屋にも用意があるかも知れませんので、ぜひ店員さんに相談してみて下さいね。

シールドやメガネの曇り対策も忘れずに!

ヘルメットの中にメガネをしていると、メガネのレンズが曇って気になることがあります。

冬場になると、シールドもメガネも曇ってイライラすることも。

そんな時のために、曇り対策は忘れずにしておきましょう。

対策を3つご紹介します。

シールドやベンチレーション開ける

ヘルメットの中に外の空気を入れることで、ヘルメット内部の曇りは解消できますよ。

シールドを開ける際は、隙間を作るように開けてあげるだけで空気が通ります。ベンチレーションは開閉できるタイプであれば、忘れずに開けておきましょう。

曇り止めのスプレーを使う

シールドやメガネの内側に、曇り止めのスプレーをかけておくという方法もあります。

ただし永久的な効果ではないので、定期的にかけ直すのを忘れないようにして下さい。

ピンロックシートを貼る

ヘルメットのシールドの内側に貼る、ピンロックシートというものがあります。

薄い透明のシートで、これを貼ることによってシールドを二重構造にするという仕組みです。

通常だと、外気とヘルメット内の気温差によって曇りが生じます。

ピンロックシートを貼れば気温差の影響を受けにくくなるため、曇り対策になるというわけです。

しかしこちらはメガネ側の直接的な対策にはなっていませんので、メガネには曇り止めを別途使うなど、併用した方が安心ですよ。


メガネをつけたままでヘルメットを被ると、頭が痛くなる問題について解説しました。

ヘルメットにはメガネに対応したデザインのものもありますが、対応していない場合は内装に加工してみて下さい。

メガネを選ぶ際には、ご紹介したようなバイク向けのものや、痛みの出にくいものを選ぶようにすると安心です。

シールドやメガネの曇り対策もしっかり行って、メガネありのバイクライフをばっちり楽しみましょうね。

Twitterでフォローしよう