ヤフオクで売られている中古バイクを買った際に、書類が一切ないという場合があります。

新たに自分のバイクとして乗るためには名義変更が必要ですが、書類がないのに手続きはできるのでしょうか。

書類がないバイクに対応している「書類起こし」という業者もあるようですが、できれば費用を抑えて自力でどうにかしたいですよね。

そんなあなたのために、書類なしで名義変更をする方法や業者について詳しく説明していきます。

バイクで書類なしは名義変更できない?

ヤフオクなどのオークションで中古のバイクを手に入れた際、手元に届いたバイクの名義は前の所有者のままになっていることが殆どです。

自分が乗るためには、名義を変更して、自賠責などの必要な保険も手続きをしなくてはいけません。

バイクの名義変更をするには決められた書類が必要です。しかし、オークションで買うとその書類が無いことも結構あるんです。

その場合、名義変更を可能にするためには前の所有者の協力が必要になります。

「書類を紛失した」ということで前の所有者が再発行の手続きを取って書類を入手してもらうんです。

そして前の所有者が再発行してくれた書類を、新しい所有者であるあなたが受け取って、手続きを進めるという流れです。

それと、排気量が125cc以下の原付バイクの場合は、名義変更をするには前の所有者が廃車手続きを行っていることが前提となるので注意が必要です。

それに対し、126cc以上のバイクの場合は、廃車手続きがされていなくても新たに名義変更をすることは可能です。

このあと挙げる必要な書類さえ前の所有者から入手できれば、あとは新たな所有者が手続きに行けば大丈夫ですよ。

もしも前の所有者と連絡のやり取りができないとか、前の所有者が面倒だから再発行したくないと言われてしまったら、自分での名義変更は諦めるしかありません。

しかし完全に名義変更できないと決まったわけではありませんので、そうなってしまったら後半にご紹介する方法も参考にしてみて下さいね。

名義変更に必要な書類

実際にバイクの名義変更をする場合、どんな書類が必要になってくるんでしょうか。

手続きは排気量ごとにやり方が異なり、125cc以下(原付)、126cc~250cc未満、250cc以上で分かれています。

それでは排気量の小さい順に、説明していきますね。

125cc以下のバイク(原付)の場合は、以下の書類を新しい所有者の住む市区町村の役所に持って行って手続きをします。

  • 廃車証明書
  • 譲渡証明書(前の所有者の捺印があるもの)
  • 自賠責保険が残っている場合は、自賠責保険証明書
  • 軽自動車税申告書並びに標識交付申請書⇒役所で入手します
  • 印鑑(新しい所有者のもの)
  • 身分証明書(新しい所有者のもの)

126cc~250cc未満のバイクの場合は、以下の書類を新しい所有者の住む場所の担当する陸運局に持って行って、手続きをします。

  • 軽自動車届出済証
  • 地区が変わる場合は、軽自動車届出済証返納届(前と新しい所有者の捺印があるもの)
  • ナンバープレート(地区が変わる場合)
  • 譲渡証明書(前の所有者の捺印があるもの)
  • 自賠責保険が残っている場合は、自賠責保険証明書
  • 地区が変わってナンバー変更が必要な場合は、軽自動車届出書
  • 地区が変わらずナンバー変更が不要の場合は、軽自動車届出済証記入申請書(前と新しい所有者の捺印があるもの)⇒陸運局で予め入手しておきます
  • 軽自動車税申告書⇒陸運局で入手できます
  • 自動車損害賠償責任保険証書(保険の期間内のもの)
  • 住民票(新しい所有者のもの)
  • 印鑑(新しい所有者のもの)

125cc以下のバイクの時と比べて、必要なものが増えていますね。

250cc以上のバイクの場合も、以下の書類を新しい所有者の住む場所の担当する陸運局に持って行って、手続きをします。

  • 車検証(自動車検査証)
  • 自動車納税書(いらない場合もあります)
  • ナンバープレート(地区が変わる場合)
  • 譲渡証明書(前の所有者の捺印があるもの)
  • 自賠責保険が残っている場合は、自賠責保険証明書
  • 住民票の除票(前の所有者のもの)
  • 戸籍謄本の附票(前の所有者のもの)
  • 住民票(新しい所有者のもの)
  • 自動車検査証記入申請書(前と新しい所有者の捺印があるもの)⇒陸運局で予め入手しておきます
  • 手数料納付書⇒陸運局で入手できます
  • 軽自動車税申告書⇒陸運局で入手できます
  • 印鑑(新しい所有者のもの)

250ccのバイクを手続きする際にも必要なものが沢山あるので、大変そうだと感じるかも知れません。

書類起こし、再発行とは

ここまで見てくると、必要な書類の山に驚いた方もいると思います。バイクの排気量が大きいと、書類が増えて手続きも複雑化していく傾向があります。

こうなると、前の所有者から沢山の書類を貰えるように相談するのは、ちょっと気が引けてしまいます。

でも大丈夫。

なんと必要な書類を作成してくれる「書類起こし」という作業を行ってくれる業者があるんです。

業者から書類を作成して再発行してもらえれば、名義変更の手続きに行くことが可能になりますよ。

書類起こしにかかる料金の目安は、バイクの排気量によって異なり、

  • 125cc以下⇒5,000円~
  • 126cc~250cc未満⇒3万円~
  • 250cc以上⇒10万円~

くらいかかります。

ちょっとお金が必要になりますが、自力ではどうにもならない場合は、書類起こしをしてくれる業者に頼むしかありません。

ちなみに書類起こしの業者は、オークションで買ったバイクだけでなく、古すぎて書類や所有者がわからなくなってしまったバイクなどを復活させるためにも、利用することができますよ。

書類の再発行に必要な物

書類起こしと再発行のために必要な物は、業者によって違いますが、大抵は以下のようになります。

  • 申請の用紙(業者指定のもの)
  • バイクの写真(必要に応じて数枚)
  • 料金
  • その他、自賠責保険の書類や免許証など

頼む業者の公式サイトや問い合わせフォームなどで確認をして、足りない物がないように準備しましょう。

再発行の手順

業者に書類起こしを頼む時も、手順が業者によって異なりますので予めよく確認をしておいて下さい。

見積もりを事前に行ってからやりとりを開始する業者や、先に一定のお金を送付して後から正式な金額で清算するという業者もあります。

まずは業者の公式サイトをよく読んで、疑問があれば質問して納得してから頼むようにしましょう。

なお、バイク本体やエンジンなどの番号を申請書に記入する際、石刷りという方法で番号を写し取る方法を指定されることがありますので、正しい方法で記入して下さいね。

■石刷りのやり方

  1. 番号の上からマスキングテープを貼るか、薄めの紙をあてる
  2. その上から鉛筆などで擦って、番号を写す

上手くいかなかった時のために、マスキングテープや紙は多めに用意しておくと安心ですよ。

専門業者にお願いする事も選択肢に

中古でバイクを買った際、前の所有者から書類を再発行してもらえるのであれば、それで名義変更はスムーズに進めることができます。

しかし、実際には全ての書類を入手することは難しいことが多いので、困ってしまったら書類起こしの専門業者に頼みましょう。

排気量が大きいバイクは金額がかなりするので、迷ってしまうかも知れません。でも、せっかく手に入れたバイクに乗れなかったら元も子もありませんよ。

予算と相談しながら、ベストな方法で名義変更ができるようにしましょう。

中古バイクを買うときは

中古のバイクを買う際には、所有者が信用できる人から買うようにしましょう。

ヤフオクなどのオークションサイトで書類無しで販売されているバイクというのは、もしかすると盗難などの違法なルートで入手され、販売されている可能性もあるからです。

前の所有者の情報がわからないということを利用して、悪意を持った人が、盗んできた他人のバイクを売っているということがあるんですよ。

盗難されたバイクを乗っていることが判明した場合、あなたが罰則を受けることになってしまいます。

お金を払って手に入れたバイクで被害に合わないよう、書類が無い怪しい中古バイクを買う際は十分に注意しましょう。

書類無しの中古バイクを手に入れた場合、前の所有者が書類を再発行してくれるならば名義変更は可能です。

しかし、必要な書類を全てきちんと再発行してくれることはあまり望めないため、最終的に書類起こしの業者に頼むことになるということを理解しておきましょう。

書類起こしにはそれなりの料金がかかります。

また、書類無しでオークションで売られているバイクは、盗難されたバイクであるケースもゼロではありません。

そういったリスクもあるので、十分に気を付けて買うようにしましょう。

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