「原付のオーバーホールを考えてるけど実際に自分でできるのか心配だ」という方やオーバーホールにかかる費用を心配している方に向けまとめてみました。
エンジン内部を綺麗にすることで新車の状態に近付けられるオーバーホール。
長く乗りたいからできればやっておきたい作業にはなりますが、実際にはエンジンを開けるのも不安だと思います。
今すぐではなくとも、知識として知っておきたい人にも是非読んでおいて欲しい内容です。
お店に頼むとおおよそ幾らくらい掛かるのかも記事にしていますので、参考にしてください!
※2023年7月2日に最新情報を更新しました。
原付のオーバーホールを自分でする方法
オーバーホールには専門的な知識と専用の工具が必要になります。
もし自分でやろうと思うのであれば、パーツリストやサービスマニュアルを見て必要な消耗品の手配や特殊工具の調達を先に行ってください。
また、作業が1日で終わらないことも想定してバイク本体やエンジンを置いておける保管場所を作業場所の確保をしておきましょう。
オーバーホールとは
オーバーホールとは「パーツ単位に分解して整備・清掃・点検・修理して本来の姿に戻すこと」です。
「実際にはこれだ」 という明確な定義はなく前述のようなことをすることを指して 「オーバーホール」 と言います。
エンジンも色々な部品で形成されて一つの「エンジン」という形になっています。
内部ではその一つ一つが役割を持った部品が動いていますので、そういった部品を点検し必要であれば交換もしながら新たに組み上げ直して新車の状態に近いようにしていきます。
エンジン内にはカーボンなどの汚れが付着しており、これを綺麗にしたり消耗品もありますので、長く走れば交換することで本来のエンジンパワーを取り戻すことができます。
エンジンに関する故障やトラブルが頻発したり、慢性的な症状が出てきたら行う程度のものですが、しっかり行うことでエンジン関連のトラブルに対して新車時同様にしばらくは安心です。
オーバーホールを行う箇所
オーバーホールを行なう箇所は以下のような部分になります
【腰上】
- バルブ周り
- ピストン
- シリンダー内部
- カムテンショナー 等
【腰下】
- クランクケース内部
- 駆動系 等
【全ての各部ガスケット類の交換】
エンジン内部で常に稼働している部分は、汚れや摩擦傷などで新車時より徐々に形状を変えてしまう場合もあります。
焼き付きなどを除いては時間をかけて形状変更するので、即座に故障とはなりませんが調子を悪くしていきます。
常にアイドリングが安定せず白煙を吹いていたり、ヘッド周りからの異音が聞こえ出したらオーバーホールを検討した方が良いでしょう。
オーバーホールのやり方
オーバーホールのやり方は非常に難しく、また専用工具も必要になりますので初心者はショップに依頼した方が良いでしょう。
エンジンを分解し、ピストンやコンロッド、バルブなどの部品を清掃必要であれば交換します。
シリンダーやクランクケース内のカーボン汚れなどを洗浄し、各部の調整を行いガスケット類やピストンリングのような消耗品を交換して組み上げていきます。
全て書くと長くなりすぎるので、今回は4stエンジンの 「腰上オーバーホール」 について簡潔にお伝えしていきます。
まずはエンジンを下ろしてプラグなどの付帯品を外してください。
作業としては以下の分解をしてください。
- エンジンヘッドを外す
- カムチェーンテンショナーを外す
- カムスプロケットを外してチェーンを外す
- シリンダーヘッドを外す
- シリンダー部分を外す
- ピストンを抜く
それぞれの清掃や部品交換をしていくようになります。シリンダー内に傷がある場合はシリンダー交換となります。
素人で面研などは技量も道具も必要になり難しいと思いますので、コスト的に新品交換した方が良いでしょう。
ピストン交換をする場合は新品ピストンの面取り(研磨)を忘れないようにしておきましょう。
ピストンリングの交換は慎重に行い、切り欠きの方向はサービスマニュアルなどを確認して間違いのない組みつけをしましょう。
ピストン組みつけの際に、吸気側・排気側方向指定は間違えないようにしてください。
シリンダーとクランクケースを接合している部分についているガスケットは綺麗に剥がして新しいものを使用してください。
ガスケットリムーバーやスクレーバーなどで削り取る作業になりますので、エンジン内部にゴミが入らないようにウエスを詰めておくなどの処置をしておいてください。
完了したら組付けです。
実際の作業はこちらのようになります。
業者に頼む際の頼み方
オーバーホールをお店に頼む場合はどの部分(腰上・フル)まで行うか、それと不調があればその症状を伝えてください。
工賃が大半を占めるので作業する人により時間は多少変わりますから、できれば数件の見積もりをとって比較してみた方が良いでしょう。
まず概算での見積もりを提示してもらいますが、その費用によっては車両を買い直すことの方が安く済む場合も出てきます。
バイク屋さんにも長く乗った愛車をリフレッシュしてまた乗り続けるか、それとも程度次第で長く乗れそうな車両に乗り換えるかの選択を聞かれるとは思います。
中古車を売る程度なら利益はオーバーホールの方があるかも知れませんので、バイク屋さんも押し売りで勧めるというよりは、念のため金額に見合う商品と比較してもらいオーバーホールで良いか尋ねるだけです。
オーバーホールの費用
オーバーホールの費用はどこまでやるかで変わります。
以下の表はあくまでもエンジンのみを持ち込んでのオーバーホール作業単体の工賃目安になります。
カウルなどの外装脱着やエンジン脱着、部品代を見越した総費用を( )内に概算表示しています。
あくまで概算になりますが、やはり腰上だけでも10万円以上は総額でかかる場合が多いと思われます。
項目 | 2スト(概算総計目安) | 4スト(概算総計目安) |
---|---|---|
腰上 | 20,000円〜 (50,000円〜100,000円) | 28,000円〜 (50,000円〜120,000円) |
フル (腰上に追加料金) | 40,000円〜 (100,000円〜) | 50,000円〜 (100,000円〜) |
※時間工賃6,500円〜8,000円目安 |
原付といえどエンジンは非常にデリケートな部分になります。
分解するときも力任せではなく手順を守り、戻すときもきちんと指定の状態に戻さないと組み上げたけどエンジンが掛からないという状況も多々あります。
オーバーホールに関しては安全な場所と専用工具などの準備を忘れずに、慎重に行ってください。
現在は原付エンジンの 「オーバーホールキット」 なども販売されていますので、あまりに部品交換が必要な状態は一式でそういったものを利用しても良いかもしれません。
「とりあえずやってみよう」 という作業では無いので、よく理解をしてから作業に入るようにしてください。
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