冬場など長期的にバイクを乗らない時は、バイクを室内で保管したいと思うことがあります。
しかし室内にバイクを置いておく場合、「臭い」の問題に悩まされることが多いんですよ。
あまりにひどいと、同居している家族やお隣さんからヒンシュクを買うことも…。
そんなことにならないよう、バイクを室内で保管する際の臭い対策について、きちんと理解しておきましょう。
バイクを室内保管したときの臭い対策
バイクを室内で保管する場合は、主にガソリンとオイルの臭いが問題となるんです。
それぞれの臭いについて、対策はこのようにしましょう。
ガソリンの臭い対策
室内で長期的に保管する場合は、ガソリンタンクとキャブレーターからガソリンを抜いておきましょう。
多くのガソリン臭はここから発生するため、ガソリンを抜くことで臭いを抑えることができますよ。
なお、FI車の場合は構造上の理由で、キャブレーターから抜く作業は不要です。
※今回はガソリンの臭いを無くすために、完全に抜くことを推奨しています。
外やガソリンの臭いが問題ない環境の場合は、冬季くらいの保管であれば、ガソリンタンクは満タンでキャブレーターだけガソリンを抜いておけば大丈夫です。
オイルの臭い対策
オイルもガソリンと同様に、抜いてしまうのがおすすめです。オイルはドレンボルトという部分から簡単に抜くことができますよ。
しかしバイクによっては、保管中にマフラーから残りのオイルが出てきて、床に垂れてしまうこともあります。
もしそのような状況になっても慌てないように、バイクを置いている床に、段ボールや布などの油分を吸ってくれる厚手のものを敷いておくと安心ですよ。
また、走る環境によって違いますが、雨上がりや山道などをよく走っている場合は、バイク本体に汚れが多くついていることがあります。
そこから発生する土っぽい臭いや泥くさい臭いも、結構気になるものです。
バイクを保管する前と後のメンテナンスについて
バイクを長期的に保管する際は、保管前と走り出しの前のメンテナンスが必須です。
どんなことをすれば良いのか、説明していきますね。
まずは保管前のメンテナンスについてです。以下のことをやっておきましょう。
- 不具合がないか全体チェック
ガソリン漏れなどの故障があると、強いガソリン臭の原因となります。
不具合がないかをチェックしましょう。
- タイヤは空気圧を適正値にしておく
長期間の保管中にタイヤに空気圧が足りていないと、タイヤが接地面から変形してしまうことがあります。
そうなってしまうと安全に走れなくなりますので、タイヤの空気圧は適正な値にしておきましょう。
- ガソリンタンク内の防錆処置
ガソリンタンクからガソリンを抜いた場合、タンク内がさびやすくなっています。
防錆のためにコーティング剤を入れて下さい。
- 車両を洗浄する
外装やチェーンなど、車両全体を綺麗に洗っておきましょう。
汚れが固まって落ちなくなる前に、しっかり取り除いてあげて下さいね。
- 注油をおこなう
洗浄後はチェーンやワイヤー類、可動部に注油しておいて下さい。
各パーツを長持ちさせるためには、十分に潤いを与えることが必須です。そして今回のように部屋で保管する場合は、注油後は多くついた油分を布で拭き取っておいて下さい。
つけすぎた油分は臭いの原因となってしまいますので、ご注意を。
- バッテリーの端子を外す
長期間エンジンをかけないと、バッテリーが上がってしまって走れなくなります。
バッテリーのマイナス側の端子を外しておくと、バッテリーがダメになるのを防げますよ。
次に、長期間保管をした後にまた走り始めるタイミングで行うメンテナンスはこちらです。
- ガソリンを入れる
保管前に空にしたガソリンタンクに、ガソリンを入れます。
近くのガソリンスタンドからガソリンを買って来て、バイクに入れましょう。
ガソリンを持ち帰る際、入れることができる容器は決まっています。
詳細は地域によって異なるので、予め買いに行くガソリンスタンドに問い合わせて確認すると確実です。
- オイルを入れる
オイルも保管前に抜いているので、新品のものを入れます。
- タイヤの状態チェック
ひび割れや変形がないか確認し、その後少し走ってみてから空気圧も正常か確認しましょう。
- 日常点検を行う
ブレーキやクラッチレバーの状態、エンジン音、ウインカーやランプがきちんと点灯するかなどの日常点検を行いましょう。
チェーン等の油分が足りなければ、注油を行って下さい。
これら以外でも、以前と違うような不安な点があれば、バイクショップなどで点検してもらいましょう。
プロにチェックしてもらえば、安心して走り出すことができますよ。
なぜバイクを室内に保管するとくさくなるのか?
前半で、室内保管の際のにおいの原因は、主にガソリンとオイルによるものだと説明しました。
それについて、もう少し詳しくお話ししますね。
ガソリンのにおいが何故、室内でそこまで問題になるのか。それは、ガソリンはちょっとずつ気化して外に出てきているからです。
ガソリンタンクの中で気化した際、そのままでは圧力が高まってしまい危険な状態になってしまいます。
その対策として、ガソリンタンクは気化したガソリンが少しずつ外に漏れ出るような構造になっているんですよ。
それによって、部屋にガソリンの臭いが広がってしまうという訳です。
人によっては、ガソリンの匂いは最初の数日間しか気にならなかったということもあります。
これは香水と同じように、ずっと臭いをかぎ続けていると鼻が慣れてしまって、臭いに気付かなくなるからです。
自分は気にならなくても、廊下や近隣の部屋の住民には迷惑がられている場合もありますので、注意しましょう。
オイルについては、自分ではこぼれないように処理したつもりでも、床にこぼれていたり壁についたりして残っていることがあります。
知らない間に染み込んでしまっていて、ぱっと見では気付けないことも。
それと夏場で部屋が高温になると、じわじわとオイルがバイクから染み出てきて床に滴ってしまうこともあるので注意が必要です。
こうして部屋のどこかについたオイルからも、臭いが発生してしまうのです。
対策としては、部屋に運び入れる際に、壁に接触しないよう気を付けること。また、床に吸収させるための布や厚紙などを敷いておくことです。
オイルがついたと思ったら交換することで、臭いを防ぐことができますよ。
室内保管の臭いは季節によっても変化する?
バイクを室内に置いておいた場合、夏の方が臭いが強くなりやすいんですよ。それは先程も説明したように、ガソリンが気化しやすいから。
オイルも、高温のほうが染み出してきやすいので、部屋の中に付着して臭いを発生させる可能性が高いです。
もしも夏場に室内保管する際は、冬場に保管する時よりも慎重に対策をして下さい。
室内保管のあとの臭いを取る方法
ガソリンくさくなってしまった部屋の臭いを取るには、とにかく換気を行いましょう。
ガソリンが揮発してしまえば、臭いは無くなります。
風通しの状態にもよりますが、換気は数日~1週間以上必要ですので、気長に待ちましょう。
その間、どうしても臭いが我慢できない場合はファブリーズなどの空間用消臭スプレーを利用してみて下さい。
一時的なものにはなりますが、臭いが緩和されますよ。
臭いの元となっているガソリンやオイルがついた場所が確定できているなら、以下のやり方で除去しましょう。
【用意するもの】
- キッチンペーパーや新聞紙
- 布
- 中性洗剤
- アルコール(消毒用アルコールなど)
- キッチンペーパーや新聞紙を使って、ガソリンやオイルを吸い取る
- マットなど取り外せるものは、外して中性洗剤で洗う。取り外せないものはコチラの方法で
1)薄めた中性洗剤を布などにつけて叩くようにして染み込ませる
2)ぬるま湯だけをつけた布で叩くようにして、洗剤を取る。
この1)と2)を数回繰り返して下さい。 - 乾いた布などを使って水気を拭き取り、よく乾かす
- ガソリンやオイルが付いた箇所に、キッチンペーパーなどに染み込ませたアルコールをつけて、一緒に揮発させる
- しっかり換気する
洗う際に、洗濯機を使うのはNGです。
洗濯機中に臭いがついてしまいますので、絶対にやめて下さいね。
室内以外のバイクの保管方法について
ここまでご紹介してきた内容を読んで、部屋での保管は難しそうだと思ったあなた。
部屋以外でも、大切なバイクを雨ざらしにせずに済む保管場所がありますよ。
それは以下の3つです。
- トランクルームなどの貸倉庫
- 屋根付きの駐輪場
- 車の駐車場を利用する
トランクルームや貸倉庫を見かけたことがあると思いますが、バイクが保管できるタイプのものもあるんです。
大抵は月額料金を支払って、使うシステムになっています。
外から見えないようにシャッターがあり、監視カメラが設置されていることもあるので安心感は大きいですよ。
また、屋根付きの駐輪場は、何もない屋外に置いておくよりは雨風の被害を受けにくくなります。
住んでいるマンションの駐輪場にバイクが置けるならば、無料もしくは比較的安い料金で使うことができるのでコスパは良いですね。
予めバイクを停めてもいいかの事前確認は必須ですが、1台分の枠の中からはみ出なければ特に問題はないでしょう。
駐車場が屋内や屋根付きであれば嬉しいですが、外の広い敷地内の駐車場の場合は雨ざらしになってしまいます。
その場合は、簡易のバイクガレージというものを検討してみて下さい。簡易バイクガレージというのは、バイクカバーよりも骨組みがしっかりあって、立体的なテントのような作りのものです。
しかしこれも、駐車場に置いて良いのかをきちんと相談してから設置するようにして下さいね。
いろいろなイタズラ対策を解説
部屋以外の場所にバイクを保管する場合は、イタズラされるのが不安ですよね。
困ったイタズラをされないための、対策をご紹介します。
主なイタズラといえば、
- 車体を傷つけられる
- ゴミをカゴなどに入れられたり、乗せられる
- 鍵穴に物を詰められる
- ナンバープレートを曲げる
といったものです。
これらへの対策は、まずはバイクカバーなどでバイクをしっかり覆っておくこと。そしてバイクが動くと知らせてくれる、アラーム付きのロックをかけておくと安心です。
ロックはわざと目につく場所につけておく方が、イタズラされにくくなりますよ。
バイク保険の中にはパーツへのイタズラに対応しているものもありますので、念には念を入れたい人は、加入を検討してみて下さい。
もし外に出したまま放置していると...
バイクを保管する際、外で雨風に当たる場所にずっと放置しておくとバイク全体の劣化が早く進んでしまいます。
特に、タイヤは直射日光でどんどん劣化が進みます。硬化が進んで固くなり、亀裂が入ってしまうことも。グリップ力が低下することもあるので、劣化したタイヤでの運転はとても危険です。
その他にも、マフラーが錆びたり、シートの革がぼろぼろになったりなど、様々な箇所が劣化していきます。
イタズラ対策も兼ねて、せめてバイクカバーだけはかけて置くようにしましょうね。
バイクを室内で保管した際の、臭い問題についてお話ししました。
対策はガソリンとオイルを抜いておくということ。ガソリンやオイルの処理は慣れてしまえば難しくないので、しっかり行いましょう。
もしそれでも部屋に臭いがついてしまった場合は、換気や洗剤を使った方法で除去して下さい。
バイクを保管するのに室内が難しそうなら、トランクルームなどを借りるのも良いでしょう。
もし外に保管する場合は、イタズラされないように対策をきちんと行うようにしてバイクを守って下さいね。