バイクの後ろに誰かを乗せた(タンデム)ことはありますか?

いつもは一人で乗り慣れているバイクも二人で乗ると、全く違う乗り方が必要になります。

乗り方を間違えると乗り辛いだけでなく、事故の原因にもなりかねません。快適なライディングにはライダーと後ろの人(タンデマー)それぞれに技術が求められます。

ライダーとタンデマー視点からお互いに気を付けるべきことを確認しておきましょう。

胸がつかないバイクの二人乗りの乗り方

画像引用:グーバイク

バイクに二人乗りするときには乗車姿勢が重要です。

タンデマーの胸がぴったりとくっつくほど、ライダーにがっちりと抱き着く事は実はライダーにもタンデマーにも良い乗り方ではありません。

理由として、ライダーは上半身を固定されてしまうため、ライディングに必要な動きをかなり制限されてしまうからです。また加減速のたびにタンデマーの体重を支えなければならないので体力を消耗します。

タンデマーが好きな異性ならいくらか気分は変わりますが、男同士ではケンカの元になりかねません。

こんな事態を避けるためにタンデマーが気を付けること以下のようなことです。

  • グラブバーやシートベルトを片手でしっかりとつかむ
  • もう片方の手はライダーの腰に軽く添える
  • ニーグリップをしっかりと
  • なるべく前を見る

タンデムが出来る車両にはシートベルトかグラブバー(タンデマーが掴むことが出来る棒やくぼみ)が必ずあるはずです。

これを片手で掴み、もう片方の手をライダーの腰に軽く添えます。これによって減速時はグラブバーで、加速時はライダーの腰で自分の体を支えやすくなります。

シートベルトの場合グラブバーより安定感はなくなってしまいますが、腕を突っ張り気味にすればある程度体を支えることが出来ます。

ライダーだけでなく、タンデマーもニーグリップをすることがバイクに乗るうえで重要項目になります。

グラブバーやシートベルトで支えられるのは主に上半身なので、下半身を支えるためにはニーグリップが欠かせません。ニーグリップをすることでライダーとの一体感も増すので、ライダーからすると安心感が生まれます。

目線も重要です。

なるべく前を見ることで背筋が伸び、腕や肩に余裕が出ます。

さらに事前に前方の状況を把握できるので、ブレーキや加速への対応が素早くできるようになります。

勘違いしやすい誤った乗り方

バイクは車体を傾けることで曲がることが出来る乗り物です。

しかし、だからといってタンデマーが曲がる方向に体を倒しすぎると、急に倒れこむなどしてしまい危険です。

タンデマーが車体を傾ける必要はないのです。バイクはライダーのハンドル操作によって自然と傾いていくので、タンデマーは車体の傾きにまかせておくことが大切です。

逆に怖がって体を逆方向に傾けてしまうのもいけません。こうなってしまうとバイクは曲がらなくなってしまうため、より傾けなければいけない悪循環に陥ります。

よく言われるタンデムの基本は

「タンデマーは荷物になること」

車体の傾きに合わせて自然に体を倒すことで、ライダーはそれに応じた操作を無意識に行うことが出来ます。

後ろの人が安心して乗れる整備をしておく

整備次第でタンデムの安心感を向上させることが出来ます。

例えばアクセルワイヤーの遊びを適切にしておけば、スロットル操作がギクシャクしてタンデマーが振られる心配が少なくなりますし、エンジンオイル交換やチェーン注油をしっかりすれば変速時のショックを抑えることが出来ます。

タイヤの空気圧も確認しましょう。

チェーンガードやスイングアームにタイヤの空気圧を示したシールが貼ってあると思います。そこには1人用と2人用の空気圧が書いてあり、設定が変わっていることもあるので、2人乗りの前には確認をしましょう。

サスペンションの調整が可能な車両ではプリロードを調整してみるのも効果的です。プリロードの基準値は1人乗車時を基準としている場合が多いので、数段固めに調整することで2人乗りしてもフワフワしてしまうことがなくなります。

運転手は「急」のつく操作は控える

急ブレーキや急加速を行うとタンデマーは簡単に振り落とされてしまう可能性があります。

車と違い、バイクはライダーとタンデマーの体重が車両重量に対して大きなウエイトを占めています。

なのでタンデマーが1人乗るだけでバイクの挙動が大幅に変わってしまうのです。

ライダーはそのことを理解し、いつもよりゆったりとした操作を意識してタンデマーを守ってあげましょう。

やむを得ず急ブレーキが必要な事態のために、タンデマーはよそ見をせずしっかりと周りの状況を把握するようにしましょう。

事前に乗り方を説明しておくのが大事

タンデマーが初心者の場合は、しっかりと乗り方を説明するとお互いに安心してタンデムすることが出来ます。

普段バイクに乗らない人は、ニーグリップと言われてもなんの事か分からないかもしれません。怖くなるとどうしても体が強張ってしまうかもしれません。

事前に話をしておくことで、乗っている最中でもパニックにならずに対処することが出来ます。

タンデマーがベテランの場合も同じです。ベテランはバイクの乗り方について、自分のスタイルが染みついているため逆に違和感を感じることもあります。少しでも不安を感じたらしっかりと「こうしてほしい」ということが大切です。

どんな物事でもコミュニケーションをとって事前確認を行うことが、安全への近道です。

インカムがあると安心

皆さんはバイク用インカムを使ったことはありますか。

インカムとはどんなものか。

簡単に言えば登録したインカム同士で通話が出来る通信機のようなものです。

ヘルメット内にスピーカーを取り付けることで、走行中でも風やエンジン音に邪魔されることなく、クリアな音声で会話することが出来ます。

タンデマーと走行中にストレスなくコミュニケーションが取れますし、後ろを振り向かなくても声がはっきり聞こえるので安全です。

減速する前や、曲がり始める前など、事前に一声かけることでタンデマーは身構えることが出来るのでより快適にタンデムを楽しむことが出来ます。

私も使用していますが、数あるバイク用品の中で一番といっていいほどにバイクライフが激変するアイテムでした。

タンデマーとの会話や走行中にほかのライダーと会話できることがこんなにも楽しいことなのかと改めて実感できます。

機会があったら是非体感してみてください!


タンデムの姿勢をしっかり整えることでライダーもタンデマーも不安なくタンデムを楽しめます。

普段は1人で乗ることの多いバイクですが、ほかの人を乗せることで新しい楽しみや、より安全を意識した運転を学ぶことが出来ます。

2人でコミュニケーションをとって是非、楽しいタンデムライフを。

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