カブのイメージといえば「丈夫で壊れない」というイメージで、もはや日本を代表するバイクと言っても過言ではないでしょう。

激動の昭和の時代からロングライフで人気を保つこのカブ、一般的に「限界」と言う走行距離とは一体どれくらいなのか?

またそんな長距離走行を実現する為の、日々の点検方法や中古選びの注意点も含め今回はご紹介していきます!

記事の更新情報

※2023年7月20日に最新情報を更新しました。

カブの走行距離の限界

画像引用:カブある日記

カブの走行距離の限界はどのくらいか、使用する環境や状態にもよると思われます。

調べていくとプライベーターで5万km・10万km・中には25万kmというツワモノも見受けられるカブの走行距離。

新聞配達などでビジネスに使われる場合、さらに過酷な条件下で「10万kmを超えて未だ現役」というのも珍しくなく、メーターも走行距離不明になる程の使用期間になっていきます。

皆さんやはり「メンテナンス次第」だと言うご意見は一致します。

カブの限界と言っても「消耗品を交換しない場合の限界」と「消耗品を交換しながらの限界」での差もありますので、一概に言えませんが、仮に「交換しない場合の限界」ですとエンジンの寿命、と言うよりも内部の部品の寿命でその限界値が決まってしまいます。

つまりはピストンリングのような消耗品からクランクシャフトのような部品まで、どの部品が寿命を迎えるのかで「壊れた」と言う状態になってしまいます。

最も消耗品として考えられるピストンリングを参考にすると、しっかりオイル管理が出来ていると仮定してもおおよそ50,000kmが限界ではないかと言われています。(中には10万km交換してないと言う人もいますが)

つまりカブの最初の限界は「50,000km」付近に壁があるのではないか、と言うお話になります。

ボアアップなどの改造をすれば寿命はあっという間になってしまいますが、純正を維持する前提ですとミッションやクランクなどの部品も、10万km超えて故障無しという人も少なくありませんので、なかなか断定が難しいのが実情です。

結果、部品を変えながら乗るのであれば、限界は無く「半永久的」と言える内容になってしまいます。

走行距離メーターの見方

カブの走行距離はスピードメーター内側の、アナログ式に数字が並んでいるものになります。

オドメーターと言って「99999.9」kmまでの表示が可能になっていますが、単位はkmになります。

小数点以下が「100m」の単位になりますので、0.5kmの場合「500m」と読みます。

フロントタイヤに繋がるスピードメーターケーブルを介し距離を測っていますが、アナログなのでメーターの改竄などは、ちょっと知識がある人だとできてしまう為にあくまでも目安程度に見ておきましょう。

一定以上の距離は表示できない

メーター上の走行距離は先に述べたように上限があります。

「99999.9」kmを超えると、また一周した「0」からのカウントになりますのでご注意ください。

なかなか小排気量で10万kmを走り切るバイクも少ないとは思いますが、カブの場合だけは中古で購入する際に「メーターが一周してないか?」と気にする必要が出るバイクではないでしょうか。

カブは長持ちする車種

言えるのはカブは基本構造のみならず、部品に至るまで高寿命ということ

カブ乗りの人は、とにかくメンテナンスをしっかりしている印象です。

速さを競うより「故障しない期間」を競っている印象で、カブ本来の持ち味である「頑丈さ」を生かしさらに永く大事にするための努力をしています。

殆どのパーツ供給が短命になってしまうのがセオリーのバイク業界では珍しく、純正部品やアフターパーツも未だに手に入るので、いざと言うときの修理にも困らない現実もあります。

無駄なカバーなども少ないので、やろうと思えばクラッチでさえ「部品交換」程度の作業による修理で済み、プライベーターでも充分に対応できるメンテナンス性も秀逸です。

電装系もよほどでない限り5年10年は壊れないと聞きます。

カブの初代が開発された時代背景は、まだ国民の生活水準も上がり始めた時代で「一つのものを永く大切に」という昭和イズムが前提です。

本田宗一郎氏の思いいいれの強さだけでなく、時代的に「どれだけ壊れず長持ちするか」というのも大事な要素だったので、当時の画期的な技術の割には無駄や余分なものが無い、というのも壊れにくい要因では無いかと思います。

定期的な点検や部品交換が大切

幾ら頑丈なカブとは言え、寿命を伸ばすのは日々のメンテナンスあっての話です。

カブは基本構造が完成度が高く、殆ど変わらないほどしっかりしていますので、きちんとしたメンテナンスを行っておけばそれだけで永く乗れるバイクです。

オイル交換やチェーン注油に各種調整などの駆動系のメンテナンスに至るまで、自分で出来る日常点検は普段からしっかり行っていきましょう。

どんなに頑丈でも所詮は機械ですので「カブは壊れないから放っていても大丈夫」とはいきません。

愛情を持って接してください。

また、パーツも流通していますので、万一の故障時にも部品ごとASSY交換などでも、他のバイクより比較的安価に済む場合も多いので、異常を感じたら放置せず早めの対処をしましょう。

中古で買うなら状態に注意して

カブはその売れた台数の分だけ中古市場にもかなり流通していますが、タマ数がある分状態には充分注意を。

カブ自体の使用用途が「ビジネス」が主体だったり、「頑丈さ」が逆に裏目に出てメンテナンスを怠るオーナーが所有していたものだとすると、購入後すぐに故障してトラブルになる恐れもあります。

また、走行距離を確認してもメーター改竄や、エンジン自体を載せ替えてる場合なども充分にありますので、現車の状態を優先し走行距離はあくまでも目安として捉える程度になるでしょう。

カブを中古で買うときには、永く乗る前提で焦らず比較対象になる候補を数台ピックアップして、現車の確認時の異常チェックは勿論、できるだけ信頼できるショップ選びと、以前の使用環境がわかるものを選んでいきましょう。


現行モデルではさらに新技術を投入し、寿命が伸びると言われるカブはこの先も日本の風景から消えることはないバイクになるでしょう。

私たちが小さい頃から当たり前に走っていたカブが、今も現役で活躍していてこの先もまたどこかで元気に走っていると思うと嬉しくなりますね。

戦後の日本の生活を支え、バブル期にもブレることなくコンセプトを貫き通し、世界のあちこちで「生活を支える日本のバイク」として今も誇れるカブ。

ビジネスにツーリングにと、カブに跨るオーナーさん達にはこれからも大事に乗って頂き、次の世代まで驚かせて欲しいものです。

Twitterでフォローしよう