バイクを転倒させてしまった・・ガソリンが漏れ出してどうしよう?

という時に慌てないような最低限の確認や応急処置方法はもちろん、

万一漏れが止まらないときはどうすればいいの?という疑問までしっかりお答えしていきます。

また「そもそもガソリンってそんなに危ないの?」という方向けに「ガソリンの危険性」のお話も交え、もしもの時にも誤った行動で大怪我しない知識を身につけておける記事になります!

記事の更新情報

※2023年7月18日に最新情報を更新しました。

バイクがガソリン漏れした時の応急処置

画像引用:デジタルグッズとバイクの日々

バイクがガソリン漏れした場合は、漏れている箇所により対処が変わります。

バイクの転倒による一時的なものでしたら、基本的には「キャブのオーバーフロー」による漏れと思われますので問題ありませんが、バイクを引き起こしたらまずエンジンをかける前にガソリンコックがついているものはコックをオフにして供給を止めてから点検してください。

漏れたところをウエスなどで拭き取って

  • キャブ周り
  • ガソリンホースの抜けや破れ
  • 燃料タンクの破損

がないか確認してください。

また、ガソリンコック自体が曲がって漏れていたりする場合もあるので、注意してください。

ただのオーバーフローだけでしたら、引き起こしてしばらく放置しても以後漏れてくることはありません。

それでも漏れてくる場合は何か別な要因が考えられますので、上記の点検を。

ガソリンの危険性

ガソリンの危険性について、まずはガソリンの特性を知っておきましょう。

  • ガソリンはマイナス40℃でも気化する
  • 小さな火源(火元)でも爆発的に燃焼する
  • 気化したガソリンは空気より重い為、穴やくぼみに溜まりやすい

消防庁では以上のような危険性を示し、取り扱いに注意を促しています。

ガソリンスタンドでも、国の資格制度である「危険物取り扱い資格者(乙4種)」を有しないと営業できません。

上記にもあるように「爆発」という言葉が警告に入るのが1番の危険性です。

極寒のマイナス40℃でも「気化」するものが「小さな火種」で「爆発」的に燃焼する、と書くとわかりやすいでしょうか?

記憶に新しいもので言えば、2013年に「福知山花火大会での有名な露天爆発(火災)事故」がありました。

痛ましいほどの数の被害者の方々を出し、全国ネットでもニュースになりましたので皆さんもご存知かと思います。

あの事故も「気化したガソリン」が屋台の火に飛んで引火・爆発したのが原因です。

なぜ「気化したガソリンがそんなに危険なのか?」というと、気化したガソリンは「引火しやすい危険」だけでなく、自体が密閉された容器内で気化すると容器内に「圧力」がかかります。

先にエア抜きのバルブを回さなかった為に、開けた口から圧力が逃げ「まるでホースで放水したかのように」内部のガソリンを「押し出した」のです。

そして空気より重い為に大気に逃げずに地面に沈殿する為、次々に燃え広がります。

このように、ガソリンは取り扱いを間違えると危険なものですので、燃料漏れだけでなく携行缶などで一時的に保管する場合も充分に注意してください。

※現在は消防法改正にてガソリン携行缶への給油について、「身分証の提示」と「使用用途の申告」が求められるようになっています。

ガソリンが漏れているところでやってはいけない事

ガソリンが漏れているとわかったら、絶対に火種を近づけてはいけません。

先にも説明したように「気化し、小さな火源(火種)」で爆発的に燃焼する液体です。

スパーク(火花)レベルで引火・爆発しますので、スパークプラグでも火が飛ばせるわけです。

タバコの火など持ってのほかです。

仮に引火しなければわからないことでも、万一引火した後では取り返しのつかない状況になること位は先にしっかり認識してください。

また、塗装面に付着した場合は速やかにウエスなどで拭き取ってください。

素材によっては溶けたり、塗装が痛む恐れがあります。

ガソリン以外のものが漏れ出していないかを確認

転倒時には以下のように必ず一度確認してガソリン以外の漏れがないか確認してください。

  1. バイクを起こす
  2. エンジン周りに油がついていないか
  3. エンジン真下のオイルパン付近に漏れはないか
  4. 油圧式の場合はブレーキレバー付近のブレークフルードタンクが破損したり漏れていないか

などですが、一口に「オイル」といっても様々な場所でそれぞれの役割を果たしているので、落ち着いて一箇所ずつ確認していきましょう。

※油圧クラッチの場合はシフトレバー付近のクラッチ周りも対象になるので、漏れていると一見エンジンオイルと間違う可能性があります。

もしガソリン以外のものが漏れていると感じた場合は、以下の確認と対処をしてください。

  • 近くに避難させられる場所があれば一旦車両を寄せる
  • オイルがついた付近を他の車両が踏まないように注意を促す。

※吸着マットや新聞紙、砂が近くにあれば油を吸わせる事はできますが、状況によって作業に危険を伴うので近くの人に助けを求めてください

  • 広がる場合は消防に「油漏れ」の通報をする。※除去作業をしてくれます。

オイル漏れは後続車が知らずに踏むとバイクだと転倒、車でも最悪制御できない状況が予想されます。

車両に関しては引火・爆発の危険性もありますので安全な場所に退避させてください。

絶対に放水などをして広がらせないようにしてください。

厄介なのは水とは混じらずに流れていくところで、ガソリンもオイルも水で薄くなる事はなく、ただ広がっていきます。

ガソリンで万一引火した場合は専用の「化学消化器で対応」しないと、余計に火災が広がるので注意してください。

このまま走って大丈夫なのか

転倒によるガソリン漏れが、オーバーフローによるものでしたら綺麗に拭き取り、気化させるのを少し待ってから漏れた場所から少し離れた場所でエンジンをかけてください。

しかし少しでも不安が残る場合には、無理をせずバイク屋さんやJAFに頼んで一旦点検してもらいましょう。

転倒した原因を考える

転倒した原因はしっかり考え、反省しないと次は命に関わることになります。

転倒するにも必ず原因があります。

スピードの出し過ぎから、ブレーキのかけるバランスが悪かった、曲がる時の姿勢が悪かった、など様々です。

正しいライディングフォームや制動運動を学ぶには「白バイ」の動画をおすすめします。

WGPライダーのような派手な乗り方はありませんが、警察だけあって正しい姿勢を保ちながら大きなバイクを低速でもエンジンガードさえ擦らずに手足のように扱います。

バイクは乗り方次第で危険な乗り物にもなりますが、自分次第で常に転倒しないための予防動作を取る事はできるはずです。

原因はきちんと考えて、以後同じことにならないようしっかり省みましょう。


今回は転倒したバイクからガソリンが漏れた時の対処についてお話する中で、ガソリンの危険性についてよくご理解頂ければと思い内容を少し割かせていただきました。

セルフスタンドが日常化する中で、給油中の事故も増え、また間違った知識や油断から大きな事故にも現実につながっています。

バイクに安全に楽しく乗っていただく為にも、普段必要とするものへの最低限の危険性の認識は持っておいて頂きたいのと、やはり怪我や事故を避ける為に運転技術については正しく向上していって欲しいです。

ひと昔前のように、峠道で若い命が毎週消えていく時代ではなくなりましたが、それでも事故は絶えません。

明日は我が身という気持ちと「かもしれない」運転の大切さはいつまでも忘れないで欲しいですね。

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