峠での走行は楽しいですよね。ヘアピンカーブの連続を走り抜けて行く様は、バイク乗りの醍醐味といえます。
カーブでの走行ほど、バイクを操っているという感覚を強く感じる時はないと思います。
唯一路面と接しているタイヤは影響力を発揮しています。
コンパウンドによりグリップの違いや、ドレッド面の形状による倒し込み感覚の変化。
空気圧による乗りごこちの変化等、多くの事を担っています。今回は峠での走行を前提としたタイヤにまつわる情報を提供させて頂きます。
峠にあったバイクのタイヤと空気圧
峠にあったタイヤは、やはりハイグリップタイヤです。
峠はカーブでの走行が多くなる為、ハイグリップタイヤを装着していると、安心感も増します。倒し込み等も軽くなるので、気持ちよく走行する事が可能になります。
バイクのタイヤは大きく分けてハイグリップタイヤとツーリング用タイヤに分けられます。簡単に分類分けしますと
- ハイグリップタイヤ
スポーツ走行を前提としている。 - ツーリングタイヤ
ツーリング走行を前提としている。
の二種類に分けられます。当然ツーリング用タイヤでも峠を走る事は可能ですが、色々な面でハイグリップタイヤの方がメリットがあります。
ハイグリップタイヤのメリットについては、後述させて頂きます。
タイヤの空気圧はバイクの取り回しや操舵に大きく関係しています。空気圧ひとつでかなりフィーリングが変わってしまう為、適正な空気圧の管理は非常に重要な要素です。
峠にあった空気圧とはどれくくらいなのか、、空気圧を変更した場合の例も交えて、記述させて頂きます。
適正空気圧より下げた場合
加速、取り回し共に重く感じるようになります。
適正空気圧を少し下回る程度でしたらグリップは良くなる傾向にありますが、空気圧を下げすぎるとグリップ力は低下していきます。
適正空気圧より上げた場合
加速、取り回し共に軽く感じるようになります。転がり抵抗は減りますが、グリップ力は下がります。
峠走行を前提とすると、グリップがあった方が良いので適正空気圧より若干低めの方が安定感が増して走行しやすく感じるかもしれません。
個人的意見でいうと、操舵やグリップはニュートラルな状態が良いと考えるので、適正空気圧が良いように思います。
この辺の感覚は多分に主観が混じってくるので、意見を鵜呑みにせずご自身で体験される事をおすすめします。
ハイグリップタイヤとは
峠を走行する時におすすめのタイヤは、やはりハイグリップです。
倒し込みの軽さや、バンク時の安定感等は通常のツーリングタイヤの比ではありません。
ハイグリップタイヤはサーキットなどで使用することを想定して作られているので運動性能は高いので峠で使用しても抜群の性能を発揮してくれます。
ですが温度管理が難しかったり、消耗が激しいなどの使用環境によってはデメリットも多くあるタイヤです。
バイク初心者が「グリップ力がいいから」と言って、購入してしまうと扱いにくさや、コスパの悪さから後悔してしまうこともあります。
しっかりとメリット、デメリットを理解したうえで使用することが重要となります。
今回はツーリングタイヤと比較して、ハイグリップタイヤの特徴をご紹介します。
ハイグリップタイヤ
スポーツ走行を前提とし、柔らかめのコンパウンド採用したグリップ重視のタイヤです。
トレッド面の角度も深く、カーブ進入時の倒し込みも軽く感じられます。深めのバンク時の安定感も素晴らしく、スライド時のコントロールは行いやすいです。
グリップ力が高いのでカーブを走行中の転倒リスクを少なくできますし、急ブレーキの時にはロックしにくくなり制動距離も短くなります。
ハイグリップタイヤは値段が高くコスパが悪く感じますけど、「転倒をしにくい」という安全を買うと思えは安いもんです。
峠だけを走るなら最も安全なタイヤとも言えます。
ツーリングタイヤ
ツーリングを主にした使用を前提とし、ライフ重視(タイヤの寿命)のコンパウンドが特徴です。
トレッド面はハイグリップより扁平になっており、ハイグリプタイヤに比べてハンドリングはマイルドになっています。
雨天での走行も想定されているので、排水用の溝が多く刻まれています。
グリップ力はハイグリップタイヤに劣りますけど、温度依存も少なく様々な路面でも使用できるのでメリットが多いです。
そしてコスパもいいです。
峠道を深いバンク角で走行するのではなく、軽く流すくらいの走り方であればグリップ力も問題はありません。
冬でも夏でも雨の日でも、バイクを総合的に安全に楽しめるのはツーリングタイヤです。
タイヤの特徴をまとめると以下のとおりになります。
ハイグリップタイヤ
- 柔らかめのコンパウンド(グリップ重視)
- 倒しが込み軽い
ツーリングタイヤ
- 固めのコンパウンド(ライフ重視)
- 倒し込みが比較的重い(ハイグリップに比べ)
溝が少ないけど滑らないの?
溝が少なくなるとスリップしやすくなるか否かについては、諸説あるようです。
溝が無くなってしまいスリック状態になった方が、路面との接地面積が増えるため、理論上はグリップ力が増しますが、実際の走行タイムは変わらないそうでした。
路面状況がドライの場合は遜色無くグリップするようですが、雨の場合は非常に危険です。溝が無いために排水できず、路面とタイヤが離れてしまう為、スリップしてしまいます。
ハイグリップタイヤのデメリット
グリップ力や倒し込みの軽さ等、様々な点でメリットがあるハイグリップタイヤですが、やはりデメリットもあります。
ここではハイグリップタイヤのデメリットをピックアップしていきます。
ウェット面でのグリップ力の弱さ
グリップ重視な為、排水用の溝が少なくウェット路面でのグリップ力が弱いです。溝が少ない方が接地面積が多くなりグリップが増すので、このような仕様になっています。
ライフの短さ
コンパウンドが非常に柔らかい為、タイヤの減りが早いのが特徴です。ツーリングタイヤとの違いは顕著で、大体5000km位で交換時期になります。(ツーリングタイヤは10000km位)
ウェット面でのグリップの弱さは顕著に出るので、ツーリング中に級に雨に降られた場合等は注意が必要です。
峠を攻める時代はもう終わった?(峠の危険性や移動式オービスなども紹介)
ワインディングロードを走るのは気持ちが良いですよね。バイクを操作している感覚が、最も味わえる瞬間では無いでしょうか。
気持ちが良いがゆえにコーナーを限界まで攻めてしまい、最悪転倒してしまうケースも少なくありません。
峠は色々な危険性をはらんでいます。今回は峠の危険な点を何点かピックアップしていきます。
- セーフティゾーンが無い
峠で転倒した場合最も怖いのが、転倒後のセーフティゾーンがまったく存在しない点です。右カーブにおいてはガードレール、左カーブにおいては右車線にダイレクトに投げ出されるため、相当なリスクを背負っている事になります。
- 落ち葉や砂利が散在している
峠に散在している落ち葉や砂利に乗ってしまうと、即転倒に繋がってしまいます。
落ち葉に関しては見た目で判断できるので、路面状態を確認しながら走行する事である程度は回避する事が可能ですが、砂利に関しては路面と混じってしまい目立たない為、中々発見する事が難しいです。
いずれにしてもスピードレンジが高い状態ですと、発見が遅くなり対応ができない事が多いです。
今は移動型オービスが発展していて、何処にでも設置される可能性があるので注意が必要です。
移動型オービスの特徴をご説明します。
- 従来の大掛かりな設備が不要で、何処にでも設置できる
- 後日呼び出しにて検挙が可能
- 超過15キロ未満でも検挙可能に
従来のオービスでは検挙対象は超過30キロ等、悪質な場合を想定していたのですが、今回導入された移動式オービスは超過15キロ未満でも対象をなっている為、生活道路上でも注意が必要です。
サーキットへ行こう!
峠の走行は安全とは言いがたいので全開走行等は難しいですが、サーキットであれば思い切りスポーツ走行を楽しむ事ができます。
走行会のクラスも初心者からベテランまで分かれているので、自分に経験にあったものを選ぶ事ができます。
峠とは違い万が一の転倒時の安全等確保されているので、安心して走行を楽しむ事ができますよ。
走行会のお値段もお手頃なものを多く、今週末にでもツーリングがてら参加されてみてはいかがでしょうか。
サーキットの正しい楽しみ方
サーキット走行を楽しく行う為には、事前に準備しなければならない物があります。
ヘルメットやジャケット等の装備
初心者クラスの走行会といえど、転倒した時を想定して、しっかりとしたヘルメット(フルフェイス、ジェット等)やジャケット(プロテクター入り)は用意しなければなりません。
参加クラスによっては革ツナギやレーシングブーツ等が必要になる場合もあります。事前に確認しておきましょう。
車体の整備
事前のブレーキ周りの整備やタイヤの交換はされていた方が、より安全にサーキット走行を楽しむ事ができます。
タイヤ交換の方が、走行フィーリングに直結する為おすすめです。
ハイグリップタイヤを入れた方がバンク時の安心感がより増しますので、より高いレンジでの走行が可能になります。
対応できない速度域で運転すると、自分だけでなく他人にも迷惑がかかってしまいます。
またサーキット走行等において膝スリが一つの指標になっていると思いますが、無理な体勢で膝を擦ろうとすると転倒の原因になってしまうので、難しそうであればスキルアップしてから挑むようにしましょう。
上達してきて速度域が上がってくれば、自然と行えるようになります。
いかがでしたでしょうか?
峠を走行する時におすすめのタイヤ、空気圧をご紹介させて頂きました。
まとめると
おすすめのタイヤ
- おすすめはハイグリップタイヤ
- グリップが非常に良い
- 倒し込みが軽い
おすすめの空気圧
- 適正より若干低めの方がグリップ力UP
- 個人的なおすすめは適正値
となります。
峠を走行する前に一度タイヤや空気圧を見直してみては如何でしょうか。