フロントタイヤだけでバイクを支えるライディングテクニック、ジャックナイフ。
一般のライダーの間で流行り出したのは、1980年代後半以降。
見た目がカッコいいだけではなく、ライディングに必要な技術を身につけることができる技のひとつです。
「やってみたいけど難しそう・・」
見ていると難しそうですが、やり方のコツをつかめば比較的簡単ですよ。
ここではバイクのジャックナイフのやり方や注意点、得られるメリットなどをご紹介していきます。
バイクのジャックナイフのやり方
バイクのジャックナイフに挑戦する前に、練習の仕方やコツを詳しく見ていきましょう。
バイクのジャックナイフの練習方法
重心移動を覚える
バイクのジャックナイフをするには、重心を移動させることが重要です。
バイクの車体が地面に対してまっすぐな状態で、しっかりニーグリップして腕を伸ばし、フロントタイヤに全加重をかけるようにコントロールします。
この時バイクが傾いていると大変危険なので注意しましょう。
ブレーキコントロールをしっかり覚える
どのくらいの強さでブレーキをかけると停止し、フロントタイヤがロックするのかをしっかり確認します。
また、速度をあまり出さない状態で、フルブレーキングする練習もしておくといいでしょう。
フロントフォークの伸縮感覚をつかむ
バイクの全加重をぐっとフロントタイヤにかけると、フロントフォークが縮みますね。
このときのフォークの伸び縮み感覚を体でしっかり覚えておきましょう。
バイクでジャックナイフをやってみる
体重移動・ブレーキコントロール・フロントフォークの伸縮を覚えたら、実際にリアタイヤを浮かせるジャックナイフに挑戦してみましょう。
バイクのスピードを20~30㎞/h程度におとし、全加重をフロントタイヤにかけるタイミングでブレーキングします。
ただしいきなりフルブレーキングではなく、
強めのブレーキでフォークを縮めて停止→重心をフロントへ移すと同時にフルブレーキ
と2段階に分けるようなイメージです。
リアタイヤが浮いたら腰をリアタイヤ側へ引き気味にし、ブレーキを緩め、静かに着地させましょう。
バイクのジャックナイフやり方のコツ
バイクでジャックナイフをするには、いくつかコツがあります。
ニーグリップ
バイクをしっかり膝で挟みこむニーグリップをすると、バイクコントロールがしやすくなります。
速度
慣れないうちは20㎞/h程度で練習し、少しずつスピードをあげるようにします。
スピードが出ている分だけ慣性でよりリアタイヤが上がりやすくなりますが、それだけ危険であることも覚えておいてください。
上達すると10㎞/h程度でもリアタイヤを浮かせられるようになりますよ。
タイヤ
バイクのタイヤが十分温まっている状態で行います。
また、フルブレーキングで滑ってしまうようなタイヤは大変危険です。
必ずグリップのよいタイヤでジャックナイフの練習をしてください。
バイクの車体をまっすぐに
バイクの車体が斜めのままフルブレーキングすると、かなりの確率で転倒します。
自分もバイクも傷だらけ・・とならないように、ジャックナイフは地面に対してまっすぐな状態で行いましょう。
ライディングの位置
バイクのライディングの位置ですが、ふだん乗っている位置よりもフロント寄りにしましょう。
フロントタイヤへ全加重をかけるときにシートの前方に座ると、ジャックナイフをやりやすくなります。
腕を伸ばしてハンドルを固定
肘を曲げずに、腕をしっかり伸ばしてハンドルを固定すると、体重をフロントタイヤにかけやすくなります。
以上の点を踏まえて、焦らずひとつひとつ練習してみるといいでしょう。
ジャックナイフはやり方を間違えるとどうなる?
コツをつかむと意外とすぐにできるバイクのジャックナイフですが、やり方を間違えると転倒する可能性があります。
転倒しやすいのは次のパターンです。
着地失敗
うまくブレーキングできて、しっかり体重移動もできていれば、リアタイヤが上がります。
しかしリアタイヤが上がったことで動揺し、思わずハンドルを動かしてしまうケースも。
ハンドルを動かすとバイク全体のバランスが崩れ、転倒しやすくなります。
地面に対してまっすぐな状態のまま、フロントタイヤにかけていた荷重をリアタイヤへと移し、ゆっくり着地するようにしましょう。
前方へ転がる
スピードを出し過ぎてフルブレーキングすると、勢い余って前方に転がってしまう可能性があり大変危険です。
またいきなりフルブレーキをかけるのではなく、速度が落ちた時点でフルブレーキをかけ、同時に体重移動するようにしましょう。
ジャックナイフをする場所に注意
バイクでジャックナイフをするには、場所を選ぶ必要があります。
バイクで一般道を走る場合、
- 周囲に危険を及ぼす
- 安全運転を怠っている
とみなされると、道路交通法の「安全運転義務違反」となります。
一般道で停止のたびにジャックナイフを披露すると、通報される可能性が高いので注意しましょう。
また勢い余って転倒し、通行人にケガをさせてしまうことも考えられます。
公道でジャックナイフをするのは大変危険な行為なので止めましょう。
バイクでジャックナイフをするなら、広めの庭やバイク練習場など公道以外で行うことをおすすめします。
ジャックナイフのやり方を覚えるメリット
バイクのジャックナイフのやり方を覚えると、次のようなメリットがあります。
バイクのジャックナイフを自在に行えるようになると、
- ブレーキコントロールが上手くなる
- 急な飛び出しへのとっさの対応ができる
・体重移動の感覚をつかめる
といったメリットがあります。
バイクの免許を取った時に、教習所で急制動を習いませんでしたか?
あれは教習所内という安全な場所での「練習」であり、まだ一般道を知らない状態で行ったこと。
「歩行者が飛び出したからあわてて急ブレーキをかけた」
というわけではありませんよね。
ジャックナイフをマスターしておくと、とっさの急ブレーキの際にバイクがどうなるか、自分の体がどう動くかなどを把握しておけます。
バイクで走行中に前方に何かが飛び出してきても、慌てずに停止することができますよ。
バイクのジャックナイフのやり方は、
- ブレーキングコントロール
- 前方へ体重移動
この二つをタイミングよく組み合わせて行うのがコツです。