気持ちのいい夏空のツーリング日和、暑さと闘いながら信号待ちから発進しようとすると、確かにギアを入れたはずなのにクラッチをつないでいこうとすると何故かニュートラルランプが・・・

記事の更新情報

※2023年6月21日に最新情報を更新しました。

バイク乗りの皆さんなら何度かこの現象に遭遇したことがあると思います。
もしくはコーナー手前減速してギアを一つ落としただけなのに、一気にニュートラルに!
エンジンブレーキが利かずガードレールに突っ込みかけた!などという恐怖体験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそんなギア抜けについて詳しく触れていきたいと思います。

バイクのギア抜けの症状

画像引用:モトアサイン

ギア抜けの症状としては大きく二つに分けられると思います。

  • 発進時1速に入れたギアがいきなりニュートラルに落ちる

ふいに空ぶかししてしまうことになるので結構恥ずかしいですよね。

  • 減速時ギアが勝手に落ちる、ニュートラルに入ってしまう

これがギア抜けの症状でも恐怖と危険が伴う症状だと思います。峠道の下りシフトダウンしたときにいきなりギアがニュートラルに!
想像しただけでもゾッとします。
次項ではそんなギア抜けの原因について触れたいと思います。

バイクのギア抜けの原因

バイクがギア抜けを起こす原因として基本的にはギア周りの部品の摩耗、欠けが原因となってきますので今回は各パーツごとに解説したいと思います。

ギアの溝部分の摩耗

バイクのミッションは各ギア(歯車)がかみ合って駆動しています。

いくらオイルに浸された中で動いているといえど、金属同士がかみ合って動いているので走行距離に応じてどうしても摩耗が進んでしまいます。

シフトドラムの摩耗

筒状の形状のシフトドラムの外周には、シフトフォークを動かすための溝が彫られています。

その溝が摩耗するとギア抜けを起こす原因となりますが、シフトドラムが原因の場合オイルとの相性で不具合が起きる可能性が高いためギア抜けが頻発する場合、オイルのランクを上げて様子を見てみるのも手です。

シフトアームスプリングのへたり・損傷

シフトアームスプリングがへたる、折れがあるとシフトペダルがもとの場所に戻らなくなったり、ギア抜けの原因になります。

シフトフォークの摩耗

シフトフォークとは、シフトペダルに連動してギアチェンジを行うパーツです。

このパーツも摩耗が進むと正常にギアチェンジができなくなり、ギア抜けの原因につながります。

シフトフォークガイドピンの摩耗

シフトドラムにかみ合って動いているのがこのガイドピン。

このガイドピンが摩耗するとシフトフォークの動きが悪くなり、ギア抜けが起こる場合があります。

ガイドピンの摩耗が原因でギア抜けを起こしてる場合、ガイドピンの交換が必要となります。

ギア抜けしにくい、ギアの上手な扱い方

「丁寧な操作を心がける!」

ギア抜けしにくいギアの扱い方はその一言に尽きると思います。

発進時はゆっくりクラッチをつなぐ、シフトチェンジの時は適切な回転数に合わせる等、ミッションを長持ちさせるためには日ごろからの運転に気を配りましょう!

シフトアップ時、高回転でアクセルを一瞬オフ、クラッチを切らずにギアを入れるとすごく早くシフトチェンジが可能です!

バイクブームの時に現役バリバリで走られていた方はよく使うテクニックだと思いますが、ミッションのことを考えるとギアの寿命を確実に縮める操作なので普段の街乗りではクラッチも使って、ギアもいたわってあげましょう。

ちなみに現行のスーパースポーツ等には当たり前のように装備されているクイックシフター!

こちらはアクセル全開のままクラッチも使うことなくシフトアップが可能です!
「なんてハイテクなすごい機能だろう!」 と思いますが、その内容はというと電子制御でシフトアップの一瞬だけ点火がカットされているだけです。
自分でアクセルをオフにして燃料をカットしていた作業を一瞬でコンピュータがやっているだけなのでミッションへの負担は同じようにかかります。
実際にクイックシフターでギア操作をすると、人間の操作よりはるかに無駄がなく変速が完了するのでサーキット走行等ではかなり重宝されています。

もし自分の街乗り車両でサーキット走行もされている読者の方がいましたら、普段の街乗りではシフターの使用を控えることをお勧めします。

オイルは定期的に交換されているかを確認する

納車されてすぐの車両であれば、その日からしっかり走行距離や期間でオイル交換のタイミングを管理することをお勧めします。

バイクのエンジン、ミッションは車と比べて小さいサイズで大きなエネルギーを生んでいるので普段の車のオイル交換のサイクルよりも早く交換しましょう!

ちなみにどのメーカーでも走行距離3000km~5000kmが交換の目安とされています。

筆者の私はシフトのフィーリングが変わると嫌なので1500km前後でいつも交換をしています。

オイル交換のやり方

ホームセンターや用品店でご自身の車両に合った量のオイルと、オイル処理パック、それとドレーンボルトのワッシャーも忘れず購入しましょう!

ワッシャーはオイル交換ごとの交換が必須です!

  1. まずバイクをセンタースタンドもしくはスタンドでジャッキアップした後、エンジンのドレーンボルトの下にオイル処理パックをセットします。その状態でドレーンボルトを緩め、オイルを抜きましょう!
  2. エンジンオイル投入口のフィラーキャップを外してあげるとスムーズにオイルが抜けますよ!(結構勢いよく出るのでご注意を)
  3. オイルが全部抜けたら、新品のワッシャーを入れたドレーンボルトを締めます。トルクはおおよそ27N・mです!弱すぎても強すぎてもダメなので要注意です!
  4. ボルトを締め終わってから、規定量オイルを入れます。
  5. オイルを入れ終わったら、エンジンをかけてエンジンが温まるまで待ちましょう。エンジンを触って人肌程度まで温まったら、エンジンを止め10分ほど放置しましょう。
  6. エンジンの隅々まで回ったオイルが降りてきて、その状態でオイルレベルゲージでオイル量の確認をします。

多すぎても少なすぎてもダメなので、規定量から外れている場合は妥協せず調整しましょう。

オイル交換で症状が改善しない場合

オイル交換で症状が改善しない場合、前述で述べた通り部品の摩耗や損傷による原因が疑われます。

素人では判断が難しいので、近くのバイクショップに相談されることをお勧めします。

お店での修理費用

部品交換が必要な場合お店での修理費用は10万円を超えることは覚悟しましょう。

ミッション周りの部品が単価が高いことと、部品の交換にエンジンを開けないといけないので工賃も高くなります。

新車から乗られてる車両なら、自分のメンテナンスサイクルも把握できますが、中古で購入された方はより一層メンテナンスを心がけましょう!


ギア抜けを起こさないようにするには、オイル交換をこまめに行うことが一番の対策です!

どうしても機械なので距離を走れば調子が悪くなったり、部品も壊れます。その機械の寿命を伸ばすためにもこまめなオイル交換を心がけましょう!

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