バイクのキャブレターの油面調整ってした方が良いと聞くけど、実際に必要になる時はどんな時?
油面が狂う原因から油面が高いと起こる不調、油面が低いと起こる不調の違い。
またやり方はどんな風にやるの?
こんな悩みに対して一気にご説明していきます!
キャブレターはバイクにとってとっても重要なパーツです。
そんなキャブレターの仕組みやメンテナンスについてのお話しもありますので
是非参考にしっかり調整して、快適なバイクライフを送りましょう!
※2023年8月3日に最新情報を更新しました。
キャブレターの油面調整の方法は以下の通りです。まずキャブレターを外すまでの作業はできる事が前提になります。
- キャブを外す(ガソリンを抜いておく)
- フロートチャンバー側のカバーを外す
- フロート根元のピンからのフロート高さが規定値になっているか測定する
- キャブ内のフロート根元のピンを曲げて調整する
- 調整後は一旦キャブを取り付けガソリンを回す(オーバーフロー確認)
- 油面高さを測る
と言うやり方にはなりますが、確認は水平な場所にキャブを置いて透明な燃料ホースとガソリン容器やタンクを吊るしてフロートケースにホースを繋ぎ、キャブの横に並べた透明ホース内の液面の高さでガソリン量を目視で測ると言うやり方が主流です。
キャブレターの仕組み
キャブレターとは燃料供給装置で気化器といい、簡単な仕組みは以下のような感じです。
まずキャブレターと言っても種類があります。
- 中型以上の4ストキャブでは「負圧式(CV)」という、負圧を利用し空気量に応じてダイアフラムが上下して空気とガソリンの量を調整するタイプのキャブレターが主流です。
- 2ストキャブでは「強制解放式(VM)」というスロットルを回すとアクセルワイヤーで強制的にスロットルバルブを引いてガソリンを送るタイプのキャブレターになります。
エンジン内のピストンが下がることにより発生する吸入負圧により、キャブが吸い込む空気をベンチュリ穴という特殊な穴を通すことで流速を加速させます。
これによりキャブレターの中で圧力差を生じさせ、フロートチャンバー内のガソリンが例えるなら注射器のピストンを引いたような状態で専用の出口から燃料が吸い上げ(押上げ)て、ベンチュリエア経路に霧状に噴射し吸入空気と混合させるという仕組み。
バイクの性能を100%引き出すには重要な部分で、エンジンに供給する燃料と空気(エア)との「セッティング」をする部分がキャブになります。
油面が狂う原因
フロートチャンバー内の油面高さを決める重要パーツは、
- チャンバー内の油面が今どのぐらいかを検知する浮きである「フロート」
- そのフロートの沈みに連動してガソリンタンクからの燃料供給口を開く「フロートバルブ」
- 逆にフロートが上がった際、フロートバルブに押し付けられることで供給口を塞ぐ「バルブシート」
これら三つといえます。
そしてこれらは少しずつではありますが、走行を重ねるにつれ劣化していきます。
フロートが劣化して浮力が変化すれば、チャンバー内の油面が正確に測れず適切なガソリンを供給できませんし、フロートバルブが摩耗しすぎてしまえば、供給口の開閉に支障をきたします。
他にもガソリンタンク内のサビといったゴミがフロートバルブとバルブシートの間に挟まってしまった場合も、正常な開閉動作ができなくなります。
長く乗り続けている限りは、いずれかのタイミングで油面調整をすることが望ましいということですね。
また転倒などのイレギュラーな衝撃によってチャンバーまわりの部品が損傷することもあるため、万が一大きな衝撃をバイクに与えてしまった場合も、一度油面まわりをチェックするといいでしょう。
油面が狂うとどうなるのか
油面が狂うと以下のような症状を感じると思います。
油面が高い・・・オーバーフローや燃料が「濃い」「多い」ことによる不具合
大袈裟に言えば供給過多によるプラグカブりなど
油面が低い・・・ガス欠のような症状で燃料が「薄い」「少ない」ことによる不具合
大袈裟に言えば加速時に燃料が来てない失速など
油面の1番影響する範囲はスロットルを1/4開け付近までとのことで、それ以上の開度になるとベンチュリ効果で多少の油面の低さは圧がかかるので強制的に押上げてフォローされるようです。
油面が適正になったら
油面が適正になると、オーバーフローやガス欠のような症状がなくなります。
燃料の吸い込み(押上げ)量が適正になることで、本来のキャブの役割を果たせるようになります。
よほどの症状が事前にないと、劇的に何かが改善したという体感は薄いかもしれません。
規定値もミリ単位とはいえある程度の許容範囲はありますので、セッティングがシビアな(社外キャブなど)以外は、「オーバーフローしない程度の高い方」という感覚で合わせる人もいます。
逆に溢れるほど水が入ってると少し傾いた瞬間こぼれてしまう(オーバーフロー)。
また、ストローがきちんと届かない距離にしか水が溜まっていない時は、吸い込み時に水がうまく吸えず空気が多くなるから不調になるというお話です。
キャブレターのメンテナンス
キャブレターはとてもデリケートな装置ですので、メンテナンスは大事です。
油面調整でフロート室を開ける作業までする際は、ジェット類の清掃も行っておくと二度手間もなく良いでしょう。
また、パイロットスクリューの戻し量の確認など、つけ外しした際は振動でバランスを崩すことも考えて改めて調整しておきましょう。
インシュレーターの劣化による損傷があると、そこから二次エア混入の恐れもありますので、インシュレーターやバンドの方も確認しておきましょう。
キャブのつけ外しは車種によっては少し角度をつけて抜かないと抜けないものもあります。
バンドをきちんと緩めているかなどの確認をして、抜く際には無理に引っ張って傷つけないように気をつけてください。
また、取り付け時にインシュレーターの向きを間違えないよう気をつけてください。
油面調整についてはそこまで頻繁に行うものではありませんが、ジェット類の清掃のついでやキャブのOH時にはきちんと合わせておいた方が無難です。
また、誤るとガソリンが漏れてくるオーバーフローの症状を起こしますので、万一に備えて漏れ対策のマットや新聞紙など敷物などをしておきましょう。
キャブレターの調整方法は以下でした。
- キャブを外す(ガソリンを抜いておく)
- フロートチャンバー側のカバーを外す
- フロート根元のピンからのフロート高さが規定値になっているか測定する
- キャブ内のフロート根元のピンを曲げて調整する
- 調整後は一旦キャブを取り付けガソリンを回す(オーバーフロー確認)
- 油面高さを測る
キャブレターについては、単純な構造に見えて知れば知るほど奥の深い装置になります。
機会があれば、是非一度詳しい構造も学んでみてください!きっとバイクライフがもっと楽しくなります!
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